雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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星野版はどこへ向かうのか?『星を継ぐもの』

星野之宣によるコミカライズ。

409183888X星を継ぐもの 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
星野 之宣 J・P・ホーガン
小学館 2011-06-30

by G-Tools
★★★



あらすじなど原作とほぼ同様なので以前に書いたこちらを参考にしてもらえると嬉しいです。

「星を継ぐもの」の漫画化…正直読みやすくするということ以外に意味があるのかなと感じていた。というのもこの小説のおもしろさというのはミステリー的な論理のつながりとその帰結の美しさ、そしてセンス・オブ・ワンダーが高いレベルで融合した所にあって、それらは漫画とはなはだ相性が悪いんじゃないかと思ったからだ。その読みやすくする、ということだってこの小説の特徴と著しく矛盾しているわけで。
ただ担当するのが星野之宣だからなぁ、ハードSFを描く漫画家の代表格とも言えるこの人がどのようにコミカライズするのか興味があって購入してみた。

私が読む前に不安に感じていたようなことを星野之宣も考えているのか、物語に少なくない変更を施している。
とりあえず、あまりにも展開が早すぎるよね。恐らく初めて読んだ人は謎解きの部分が大しておもしろく感じないのではないだろうか。それは小説の冒頭から結末寸前までの粗筋を読んでいるようなものだからだ。物語に説得力を与える肉付けの部分、小説での大きな特徴であった綿密な調査と科学者達の熱い議論や思考のぶつかり合いはぎりぎりまで削られてしまって、ほぼダイジェストみたいな様相に。しかしそれではハント博士が何故そのような推論に至ったのかが理解できない。彼のすごさも分からない。へぇそうなのか、で終わってしまうお話。

ただ、これは星野之宣も承知の上とは思う。そこを突き詰めても小説とは勝負にならないからこそ潔く切り捨てたと。そして代わりに持ってきたのが平和委員会やチャーリーがああなったことに代表される改変点なのだろう。
要はこの星野版星を継ぐものというのは小説を土台として、さらにその先を作ってみようという試みなのだ。ならば土台が深く掘り下げられないのもしょうがないのかもしれない。しかし一番の問題はこの手法だといつか小説を読みたいなと考えている人や小説を読む前に漫画で肩慣らししようとしている人にとって、ほぼ間違いなく小説のおもしろさを致命的に損なってしまうということで。ミステリーのネタばれはするのにその部分に力が入っていないのだから当たり前といえば当たり前。

星野之宣の試みが成功するかどうか、1巻ではまだまだ見えてこない。だからまだこの作品について書くつもりはなかったのだけれど、一言だけ言っておきたかったので。“小説未読の人でいつか読もうと考えている人にはおすすめしません。” これは表紙に注意書きしててもいい位。
既読の方はどのように物語が変転するのか、興味深く読めると思う。私も楽しみに続刊を待ちます。小説をまだ読んでいない方、名作中の名作SFなのでぜひぜひ。

最後に一つ。グレッグが女になったのは何で?笑
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