雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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極上のSFミステリー『星を継ぐもの』

ハードSFのド定番。星野之宣のコミカライズを読む前に再読してみた。

448866301X星を継ぐもの (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿
東京創元社 1980-05-23

by G-Tools
★★★★★



数あるSF小説の中でも定番中の定番。もちろん今読んでも最高におもしろいからこそ名前が頻繁に挙がるわけで、SF好きには改めて言うまでもない。
ということでSF好きに勧めたいというより(大体の人は読んでるだろうから)、どちらかというとまだこれを未読のミステリー好きに読んで欲しい。SFとしてももちろんだけれど、ミステリーとしても極上だから。半端ない。

月面で宇宙服をまとった人間の死体が発見された。ただしその死体は5万年前のものだったのだ。それぞれの分野で最先端の科学者が総力を挙げて調査を行うことになって…。

まるで一流のアーティストが作った芸術作品みたいだなと。人間の論理的思考の精緻にただただ見惚れて、読み終わった後にはため息しか出ない。本当に美しい。

とっかかりはわずかなもの、それらが繋がって繋がって新たな光が見えてきて…というと至ってよくある話なんだけど、その過程が素晴らしい。科学者達の議論がめちゃくちゃおもしろいのだ。未知のものへの興奮が直に伝わってきて、あまりの熱気に私まで議論に参加しているような錯覚に陥る。新しい事実の発見、想像の斜め上を行く推論、科学者ならばこんな調査に参加できたならばたまらんわなぁ。
繰り返される思考実験、思考は行って戻って、進んだと思ったら塞がれて、曲がっては元の場所に戻ってきたりもして、知的興奮を存分に煽ってくる。そして主人公のハント博士が絶好のタイミングで論理を飛躍させるのだ。ありえない、ありえるのか?、これしかない! 最高。最後まで息をする暇もない。

もちろんSFとしても最高峰で、そもそも未知との遭遇という手垢の付きまくっているSFの王道を説得力を持って書ききっている時点で文句などあるはずもない。これこそがセンス・オブ・ワンダー。
この科学者達の知らないものを探求する気持ちがSFの原点だよなぁ。未開の宇宙に漕ぎ出す船もこの作品の科学者達もそういう意味では同一であって、そこには未知への恐怖とそして何よりわくわくがある。

多分一つだけ難点があるとすれば、結論としてのあれが科学的にありうるのかということだろう。個人的にはそういう発想が浮かんだこと、そして何よりその発想を完全に物語として機能させた作者を素直に賞賛したい。
ここは説得力を感じるかどうかは微妙な所だけれど、今までの積み重ねがああいう形で帰結するとは!、と鳥肌がたつような興奮があることは確か。

美しくて、刺激的。相反するものが紆余曲折を経て、綺麗に一つに収束していく。頭の中がかき回されて、びんびんに活性化される。
SF好きはもちろん、知的興奮を味わいたい人にはこれ以上ない本だろう。名作と言われる所以がよく分かる。
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