雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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虚構と幻想『グレート・ギャッツビー』

久々に読んだ。

433475189Xグレート・ギャッツビー (光文社古典新訳文庫)
F.スコット フィッツジェラルド F.Scott Fitzgerald
光文社 2009-09-08

by G-Tools
★★★★



ジョイスの「ユリシーズ」とプルーストの「失われた時を求めて」の二作品は共に20世紀を代表する小説とされる。ただ“失われた時を求めてを自分が一生読むことはないと気付いた時に人は中年を迎える”なんて言葉があるように、これらは非常に長大かつ難解すぎてなかなか読める気がしない。
そんな中、この「グレート・ギャツビー」は手軽に優れた文学を読もうと思った時に一番手になるんじゃなかろうか。

日本では現在村上春樹訳が一番メジャーだと思う。私も以前読んだ時には、選択旨が二つしかなかったので新しい方の村上訳を選んだ。その後古典新訳から新たに刊行されたのが上の画像のもの。
村上春樹はもちろん翻訳者としても素晴らしい。しかしやはり彼の色がかなり強く出ている気がするわけで、古典新訳版はまた違った角度で楽しんだ。より原書に忠実なのはこちらかもしれない。

この作品は、謎の富豪ギャツビーのとある夢とその崩壊の物語。
舞台はニューヨーク州ロングアイランド。中西部からこの地に引っ越してきた男、ニックの視点で話は進められる。ニックの家の隣にはギャツビー邸があり、そこでは毎晩のように豪華なパーティーが開かれていた。ニックはギャツビーの素性について不審に思っていたが、誰も本当のことは知らず噂ばかりが聞こえてくる。段々とニックは個人的にギャツビーと親しくなり、やがて彼の驚くべき目的を知ることになって…。

単なるラブストーリーとしても上質、しかし一つの枠に当てはめることは不可能で、もっとたくさんのものを内包しているように思える。ニックの東部的なものに対する嫌悪感、ギャツビーの夢、色んなものに共感し、それでいて反発し、ぐるぐると胸のうちをかき回される。
この小説が書かれたのは1925年、まだ西部のフロンティアスピリットは残っていたのだろうか。どうしようのない大きなうねりが西部を飲み込む一端を見ているようで、何とも言えない気持ちになる。それは日本だって飲み込まれたものだ。

もちろん現在の自分から見てもこの小説はおもしろい。しかしまだその内実を分かりはしても、真に理解はできていないような気もしていて、もう少し歳をとった時に読んでみると本当のおもしろさを味わえるかもしれない。
何となく文学を読み始めたい気持ちになった人には、とりあえずグレート・ギャツビーをどうぞ。
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