雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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ゾンビコミックの傑作『ウォーキング・デッド』

翻訳者のツイッターによると2巻がどうやら決定した模様。やったぜ!

4864101140ウォーキング・デッド
ロバート・カークマン 風間賢二
飛鳥新社 2011-10-13

by G-Tools
★★★★



冒頭でゾンビコミックの傑作と書いたが、よくよく考えると恐らくこの作品とアイ・アム・ヒーローくらいしか漫画でゾンビものを読んだことがない。ACONYみたいな変化球は除いて。
そもそも私はゾンビ系のジャンル自体あまりおもしろいと感じるものがなくて、唯一の例外がアイ・アム・レジェンドだった。もちろん映画ではなく小説の方だけど。
そしてアイ・アム・レジェンドとはまた違ったベクトルでゾンビものの私的金字塔となりそうな作品が、このウォーキング・デッド!

主人公のリックは警察官。ある日脱獄囚との銃撃戦でリックは撃たれ、意識は断ち切れた。病院で目覚めたリックは異変に気付く。周りに人が見当たらないのだ。誰かいないかと探していると、ゾンビと化した死体に出くわし、世界が永遠に変わってしまったことに気付かされる。
家族と何とか合流できたリックであったが、もはや政府や通信網は機能していない。緩慢な動きではあるがゾンビに噛まれるとその者もまたゾンビとなってしまう恐怖に脅え、人が増えるごとに人間関係は煩雑になる。国も希望もない中で、人間はどのように生きていくのか…。

スタンダードなゾンビ映画の面白みって何だろう。門外漢の私はあまり分からないが、それがホラー的なものであるならばウォーキング・デッドとは異質と言える。この作品においてゾンビはもちろん大量に登場するし、どこから現れるか分からない彼らは確かに恐ろしい。でも肝はそこではない。
ウォーキング・デッドの良さというのは良質なヒューマンドラマに通ずるものがあるように思う。それは人間を描くのが、そして何より人間関係を描くのが上手ということだ。

法や国という縛りはなくなり、人間の多くが死に絶えた世界。こんな世界でも彼らは食べなければいけないし、子育てもしなければいけない。日々の生活を営む中で人とのつながりはなくならない。
そんな極限状態にある人間達をカークマンはたまらないほど巧みに描く。人は死に、時に狂う。かつてのしがらみが消えてしまったからこそ、人の素顔はさらけ出される。
すっごく刺激的。あくまで読み物とはいえリック達には失礼かもしれない。でも本当におもしろい。

1巻において彼らはコロニーを作り、少しずつ人を増やしながら安息の地を探す。何が正しいのか?、どうすればいい?、こんな絶望的な世の中でリックはそれでも尚全力で知恵を尽くし、行動する。もはや正しい道なんてないのかもしれない。それでも生き延びたいなら戦うしかないのだ。
しかし乗り切っても乗り切っても問題はなくならないんじゃないか?と思う方もご安心、これは終わらないゾンビ映画なのだから。著者はゾンビ映画の弱点はエンディングにあると言う、その後に何が起こるのか知りたいと。だからこそこのウォーキング・デッドはリックの一生を描く年代記になるらしい。成功すれば最高の試みだろう。

現在ウォーキング・デッドはアメリカで14章が刊行されており、この日本版ウォーキング・デッド1巻には3章分がまとめて収録されている。インタビューによると90号まで書かれているが、200号までの構想はあるということ。長いよ笑。とはいえ終わらないゾンビ映画、カークマン流終末の叙事詩なのだから仕方ない。でもこの質が保たれるならばこんなに嬉しいことはないし、さらに上だってあるかもしれない。
あんまり長くなると、邦訳で全て見れるか不安になるのは事実なのだけど、こんなに刺激的で濃密なコミックというのはゾンビに限らずなかなかあるものじゃない。一度読むと目が離せない緊張感、そして数少ない緩和にほっと一息ついてもすぐにそれは破られる。たまらない。

来年の2月からは日本でもドラマのレンタルが開始され、恐らく春にはコミックの2巻が発売される。
ウォーキング・デッドの(ミニ)旋風が巻き起こってますよ! たくさんの人が読めば最後まで邦訳も続く、これは確か。この値段でこの質と量ならかなりのお買い得です。ぜひぜひおすすめ。
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