雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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サイバーパンクと言えば…『ニューロマンサー』

これを読まずしてサイバーパンクを語るなってくらいに有名な作品。
今さらながら読んだ。…こりゃすげぇわ。

ニューロマンサー(ウィリアム・ギブスン)

★★★★★



ニューロマンサーはサイバーパンクの原典としてよく知られている。というかサイバーパンクというジャンルを作ったのがこの作品で、電脳空間という言葉が使われたのもこの作品が初ということだからまあ納得です。
サイバーパンクの先駆け的映画であるマトリックスはニューロマンサーの企画が転じて出来た映画だし、日本で一番著名なサイバーパンクコミックである攻殻機動隊へも色濃く影響を与えている。草薙素子のモデルからして間違えなくモリィだろう。マルドゥック・スクランブルにしろニューロマンサーの訳者、黒丸尚の文体を意識したものということでその影響は推して知るべしといった所。

そんな数多くの作品に影響を与えている金字塔的な作品である。さらには何より今読んでも最高におもしろいし、衝撃的なのだ。

衝撃という意味では多少薄れている部分もあるかもしれない。今ではサイバーパンクを扱った作品はそう珍しくない。上の作品群に加えてBLAME!や銃夢など、漫画にしろ小説にしろSFの中の一つのジャンルにすらなっているのだから。
しかも現代はインターネット社会と言っていいくらいネットが日常のものとなっている世界なのでその概念も比較的理解しやすい。例えば今私がブログに記事を書いていることは、情報を外の媒体にアウトプットしているという点でサイバーパンクの発想と似たものがある。でもそもそも現代の概念と1986年の概念がほぼ同じとということが衝撃的ではあるし、当時の衝撃は凄いものだったのだろうというのは想像に難くない。

概念的には理解しやすいとはいっても、やはりこの作品は分かりづらい。
情報の奔流、さして説明もされないまま大量に使用されるこの作品オリジナルの語句。じっくり読まないと物語から置いてけぼり、というかじっくり読んでも1度で理解しきることはほぼ不可能だと思われる。フラットライン、氷、迷光、冬淑、カウボーイ、マトリックス…面食らうのは必至だろう。

でもそこはSFをある程度読んでいる人間の耐性というべきか、我慢して読み進めていくと癖になるんだこれが。作中では電脳世界には中毒性があるように示唆されているが、これだって同じ。ニューロマンサーの世界に転(フリップ)じると、酔います。止められません、本当に。

物語は一人の元カウボーイ(電脳空間に侵入する人間のこと)がテクノ最先端の街“ナイト・シティ”千葉でどうしようもない生活を送っている所から始まる。彼はルールを破ったことで、もはやカウボーイとしては働けない体にされていた。そんな彼だったが、治療を条件にやばい仕事を依頼されることになって…。

電脳空間への進入、さらにはネットからの逆侵食、限界を突破しようとするAI、AIに人間が管理される世界、創造、もしくは再構成される人格…色々挙げればきりはないのだけど、とりあえず好きな人にとっては最高に刺激的。
別に小難しいこと考えなくても単純にエンターテイメント的な読み物として最上級の物語。

冒頭の千葉に代表されるように、ニューロマンサーもまたブレードランナーと同様に未来の工業都市と東洋文化の融合した世界である。巻末の解説にギブソンはブレードランナーを30分見るなり映画館を飛び出したとあるが、それはどういう意味だったのだろう?見るに耐えないということだったのか、それとも自分の発想と同じで驚いてということだったのか。
当時の作家の目が偶然同じ方向を向いていたと言うならそれはそれで興味深い。荒廃した未来都市のイメージは冷戦の影響が強かったなんてよく説明されるが、そういう社会背景あってのことなのだろうか。ただこれらやニコポル3部作、WATCHMENにしろ明らかにこの当時の傑作には暗い方向性のものが非常に多いことは確かで、それらはえてして魅力的なのだ。

とりとめもない文章になってしまったように思うけど、とりあえずSFに少しでも興味があるなら一読をおすすめしたい作品。私が言うまでもないのだろうけど歴史に残る名作です。
新しいSFの方向性を作ったと言う意味で、これは確かに新しいロマンだった。

ブレードランナーにしろ、そういう作品で日本が登場すると無性に嬉しいね。色々突っ込みどころはあるにしろ笑。
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