雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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2015 漫画ベスト10

近いうちに…とか言っておいてもう1月の半ばも過ぎてしまいました。
とはいえ毎年書いてることだし、ここ書かないと終わらない気もするので書かせていただきます。
というかもうこれ書かないとブログが本格的なメモ帳になってしまうw

2015年は漫画が読めたのかというとまあそれなりに読めはしたのだけども…。
新しいマンガのアンテナに敏感だったかというと、全然そうでもなかった気がします。
どのランキング見ても今年はわりとかぶりが多かった感じですが、私の場合もほぼ新鮮味ないよなあなんて思いつつ。


10位
4750514292ニューヨークで考え中
近藤 聡乃
亜紀書房 2015-04-25

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いつの間にやら国費での研修をきっかけにニューヨークに移住していた作者のニューヨークでの日々を徒然とつづるエッセイということで。
”初夏のその日、私はランドリーに行こうと 外に出たのである。”
なんて素朴な文章からこの漫画は始まる。こんな風に総じて近藤聡乃の文章は飾りがない感じ。それも手書き文字で綴られているのである。エッセイの面白さは、その作者の世界の見え方を体験できることにあると思うのだけども、ニューヨークで考え中で見える世界はとても開けていてすっと入ってくる。近藤聡乃の線の凛とした伸びやかさも相まって、とりとめもないニューヨークの光景、周りの人々、そして作者の考えることがなんのてらいもなく切り取られていて、すごく読んでいて気持ちがいいのだ。最後のページの欄外に書かれている一言なんかも味があっていいんだよね。A子さんの恋人と共に、近藤聡乃の新しい一面が見れて嬉しかった。

9位
4592710835駄目な石
平方イコルスン
白泉社 2015-04-27

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今年は初長編のスペシャルもトーチで連載していたけども、駄目な石は短編集であり、相変わらずの手書き文字でもあり、成程の延長線上といった趣き。でも判型が小さくなったのはやっぱり見づらいので少し残念だよね。前作よりセンスオブワンダーは少な目、日常色が濃い感じ。ちなみにスペシャルもすごく大好きなので早く単行本出してくれないかと思っているのですが(出るよね?)。
平方イコルスンはめちゃくちゃ面白いってのは間違いのないところで。でもその面白さを説明するのがめちゃくちゃ難しいってことも間違いのないところで…。頑張って説明するのなら、この益体のない日常のやり取りのリアルさが癖になってしまうということになるのだろうか。とはいってもこねくり回したついつい言いたくなっちゃうイコルソン節自体は全くリアルじゃないはずなのだ。むしろ頭の中でなんとなく考えているけど、実際には口に出さない(出せない)妄想を、実際にすごく洗練された形で実現してもらっている快感があって。それは実現しないリアルだから、ついつい何度でも読み返したくなってしまうのではないかと思うのだ。

8位
B00KYEH7GWメイドインアビス(1) (バンブーコミックス)
つくしあきひと
竹書房 2013-07-31

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ガール・ミーツ・ボーイな可愛らしい絵柄で描かれるダンジョンもの。母との再会、そして奈落の謎を解くために、探窟家見習いリコと記憶喪失のロボットレグは「奈落の底」を目指す。今年読み始めて面白かったというのもあるし、何より最新刊の3巻が最高の盛り上がりだった。さらに奈落を潜れば潜るほど、その面白さは増していくのだろう。
メイドインアビスの特筆すべきは、可愛らしい絵柄とその物語のエグさのギャップで。まあどうしても生ぬるい目で読んでいると先に進むほどに、頭をぶん殴られること必至。ただそのギャップが魅力というわけでは決してなくて。リコとレグの恐怖への向き合い方がすんごくいいんだよね。彼らは運命の残酷さに直面した時とにかくよく泣く。ポロポロ泣く。それでも諦めずに前に進み、なおわくわくを忘れない。王道の冒険もののスピリットは残したまま、ヒリヒリするファンタジーが奈落の底に向けて築き上げられていく。そしてこの恐怖も、わくわくも、源泉はこの「奈落」の世界観の魅力にあるのだ。多分いろいろと裏資料作ってるんだろうなってくらいに作者の練り上げ方がうかがえる出来。奈落の底に何が待っているのか…。度し難し!

7位
4047305820乱と灰色の世界 7巻 (ビームコミックス)
入江 亜季
KADOKAWA/エンターブレイン 2015-06-15

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祝・完結! ただただ素敵な漫画だったなあと言う他ない。入江亜紀のキラキラに溢れた絵、乱が(そして凰太郎が)大人になるまでの成長を描き切った物語。そしてポカポカになっちゃうような7巻まるまるのエピローグ。
そしてまたこの世界観の魅力的なこと。魔法少女にしろドロヘドロに通じるような脱力感にしろ、入江亜紀のフィルターを通せばもうそこはキラキラの入江亜紀ワールドになっちゃうんだよね。でもその世界は輝いていてもとても骨太なのだ。子どもを主人公にしていても、そこには常に周りの温かいキャラクターの視線はあるわけで。そして誰にでも子どもだった時はあるわけで。自分はいつ大人になったんだろう、なんて乱と灰色の世界を読んでいるとぼんやり考えてしまう。ちょっと毛色の違ったファンタジーを読みたい人にもおすすめ。

6位
4845841509蝶のみちゆき (SPコミックス)
高浜寛
リイド社 2015-01-30

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なんとかかんとか高濱寛の新刊が毎年読めるのは、とても幸せなことなのだ。そして今年の1月末にはなんと2冊同時刊行なんて…。素晴らしいことだよねえ。
遊郭を舞台とした漫画といえば、個人的には難波鉦異本がめちゃくちゃ大好きなのだけれども(そしてもりもと崇に何とか漫画を描き続けて欲しいのだけれど)。また高濱寛のこの作品も遊郭ものの傑作に連なるのではないかと思う。蝶のみちゆきにおいて、太夫を通して描き出されるのは遊郭に関わる人々の夢だ。しかし作中で胡蝶の夢が引用されるように、この夢とはまっすぐに向かうものではなく、巡り合い、そして存在自体があやふやに感じてしまうようなもので。遊女たちは外を夢見、、お客たちは遊郭に夢を見る。高濱寛はある恋を通じて、入り交じり、存在自体が不確かなこの夢を鮮烈に描き出す。”ここが一番いいところ” 語りすぎないお洒落な高濱寛の語り、そして光の陰影を駆使した美しく、哀しい遊女と丸山遊郭の姿。うーん、新年早々、高濱寛の新作が読めるのは本当に嬉しいぞ。

5位
425325571Xヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)
道満 晴明
秋田書店 2010-11-19

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道満晴明の闇鍋というかごった煮というか。道満晴明という漫画家は、色んなものを吸収して自分のものにすることに長けた人だと思うのだけど。というか長けているというレベルではなくて、もう描いてしまえば道満漫画にしか見えないというくらい。ニッケルオデオンの場合は短編ということで、どれだけナンセンスであっても、エログロであっても、消化されたそれぞれは至極端正な印象だった。
しかしヴォイニッチホテルの場合、世界は連続しているわけだ。時に色んなものがなくなったり、新しく出現していたり、そんな不安定な世界であったとしても。そこにオカルト、アニメ、殺し屋、変愛、ゲーム、SF、映画(特にマグノリア笑)などなどなど色んなネタが道満晴明のポップでメルヘンな絵で入り乱れたら、それはもう楽しすぎるわけなのである。一応きっちり終わらせてるのがまたすごいやね。もう二度と読めないかもしれない道満晴明の長編、ぜひぜひ。

4位
4063880583波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)
沙村 広明
講談社 2015-05-22

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無限の住人完結後のアフタでの待望の新作。むげにんだってもちろん大好きな漫画だったけれども、一方でおひっこし的な沙村広明を求めていた人が多かったのも間違いのないところで。もちろんハルシオン・ランチなどのガス抜きがあったわけだけれど、本格的にこの路線の沙村広明が読めるのがとにかく嬉しい。
しかしパロも無秩序さも控えめな一方で、この沙村広明のキャラクターのやり合い、やり取りが思う存分読めるのがとにかく楽しすぎるってことで。脳がシビれる多幸感。どこに話が向かってるのかさっぱりだけれど、ラジオが(一応)舞台になってるだけあって、沙村広明のセリフ回しがこれから先さらに嫌というほど楽しめるんじゃないかという期待はある。とにかく早く続き読みたいよなあ。うーん、ジャンキーだ。

3位
4088900820ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
野田 サトル
集英社 2015-01-19

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面白さ全部乗せ。作者のインタビューを読んでいた時に、元々狩猟漫画の企画を提案されたものに、ずっと描きたかった日露戦争のネタを足していって…というような話がされていて、すごく腑に落ちた。アイヌの金塊を手に入れるために…という本筋はあれど、この漫画で面白いと感じる部分はとにかく混迷を極めているのだ。
それは狩猟であり、グルメであり、アイヌに関わる様々な雑学であり、土方歳三のガン&刀剣アクションであり、豊富な変態どもでもある。結局、この面白いものの詰め合わせを料理しちゃって、何を食ってるのかは分からないけれども、美味しく食わせれる作者のセンスが天才的ってことになってしまうのだろう。本筋が気にならないとは言わないけれど、思う存分寄り道して欲しいと思うもんなあ。二瓶ごはんなんて最高だったもの。辺見は素敵すぎたもの。どんなグルメが、変態がこれから拝めるのか、楽しみすぎる。

2位
4091851096ちいさこべえ 1 (ビッグコミックススペシャル)
望月 ミネタロウ 山本 周五郎
小学館 2013-03-29

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山本周五郎原作のハードボイルド人情譚。望月ミネタロウといえば、松本大洋やくらもちふさこあたりと並んで、個人的には描いても描いても進化が止まらないなあとため息が出ちゃうような作家の一人で。最近ではダニエル・クロウズのようなオルタナティブコミックを思わせる絵と見せ方がとにかくお洒落。
で、そんな望月ミネタロウが意地と人情を描くというのはけっこう意外な気がしていたのだけども。これがまた、最高の食い合わせだった。ハードボイルドにおいて個人的に重要だと思うのは、その仮面がどれだけ強固であるのかということ、そしてその仮面がいつ取れるのか(もしくは決して取れないのか)ということをどのように描くのかということで。若棟梁のひげも、りつの仏頂面も、決してとても強固な仮面じゃあない。その冷静で強く見える仮面から漏れ出る弱さ、優しさ、気遣い…望月ミネタロウはともすれば古臭くなってしまうような、このハードボイルドを最高にお洒落に描いてしまう。そしてようやく若旦那の髭がなくなり、りつが笑う結末は心底素敵だった。望月ミネタロウの次の進化を早く読みたい。

1位
4047301531ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)
九井 諒子
KADOKAWA/エンターブレイン 2015-01-15

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もうここで書く必要があるのかというくらいに2015年を象徴するであろう漫画。もちろん私も大好き。しかしやっぱり九井諒子って異才だよなあと思う。絶対に今までだと日本の漫画界からじゃ出てきそうもない作家だし、どちらかというとアメリカンコミック界隈から出てきそうな才能。つまり前提としてある世界がある上で、世界の成り立ちを脱構築し、さらにそれをどのような手法で誰に語るのかということに異常に自覚的であるということで。漫画の発表の場所が変わってきた中で、今の最先端を行っている漫画家なのかもしれない。
その九井諒子の才能が全面的に発揮されているのがダンジョン飯というと、疑問符はつくのだけれども。でも圧倒的に面白いってことは間違いないもんなあ。1巻では前レビューに書いた通り、ダンジョンで山賊ダイアリーという語り口のコンセプトが強かったけれど、2巻ではより世界の成り立ちが詳細に描かれていって、あるいはその骨組みの一端が見れて、また別の面白みがあった。このようにもしかすると、どんどん九井諒子の多面的な才能がどんどん投入されていくのかもしれないなんて期待もあるのだ。今さら私が言うまでもないけれど、絶対今読むべき漫画。読んでない人は今すぐ!

毎年毎年ベスト10を選ぶのは難しいなと思いつつ。
どうしても今年感のあるものを優先してしまったりするので、別枠で書いておくと…。
乙嫁語りの新作はパリヤさん可愛いだけに収まらず(超可愛いけども!)、おそらく生きる道が少なかったであろう当時の女性の苦悩をも真摯に描いた森薫の矜持を感じる一冊だった。
そして初期の志村貴子がどんどん戻ってきたようなノリが非常に嬉しかった娘の家出。
あれよ星屑は死ぬべき時に死ねなかった男たちの狂おしい物語であるとともに、力強い最高のエンタメだった。
松本大洋がまだまだ進化を遂げつつも、抑えた筆致の中にどこまでもやりきれない気持ちと少しの夢を感じられたSunny。
ジャバウォッキー1914は今年始まって一番興奮した新作だった(願わくば2008まで…w)。

では続きは海外マンガの方で。
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