雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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2014 海外コミックベスト10

もう新年始まって半月以上たってるわけですが…。
去年と同じく邦訳されたものと原書で読んだものの5作ずつという形式です。
原書で読んだ作品の方が明らかに多いので、来年からまた考えないとなと思ったり。


5位
4796871950ポリーナ (ShoPro Books)
バスティアン・ヴィヴェス 原正人
小学館集英社プロダクション 2014-02-05

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『塩素の味』で即死級の甘酸っぱさを味あわせてくれたヴィヴェスの最新邦訳。まだそんなに作品数は多い作家さんじゃなかったと思うので、しばらくヴィヴェスの作品は見納めになってしまうかもしれない。
天才的な素質を持つバレリーナとその素質を見出した教師…というと漫画でもよく聞くようなストーリー。でもこの物語はバレエというよりも、どうしてもかみ合わない愛情、進むべき道を見つけられない苦しみ、そして時が経ちそれらを俯瞰できるようになるまでの物語だ。ヴィヴェスの作品は言葉は少ないんだけど、カメラワークが抜群に上手くてついつい感情移入してしまう。でも今作のそれは甘酸っぱさではなくてとにかく苦しいんだよね。その苦しさがはっと見入ってしまうような美しい踊りによって昇華されるのがいい。またヴィヴェスは時間の操り方が超絶技巧で、ラストの持って行き方がたまらないんだよなあ。どうしても取り消しようのない過去、純粋な思慕の念が一気になだれ込むのだ。

1939346517The Delinquents
James Asmus Fred Van Lente
Valiant Entertainment, LLC 2015-02-17

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‟ヴァリアント村に咲くどくだみの花”クァンタム&ウッディと、同じくでこぼこバディのやり合いが楽しいアーチャー&アームストロングのクロスオーバー! まずこの二組をクロスオーバーさせるというアイデアが天才的だよなあ。発表された時はめちゃくちゃ興奮したもの。Q&Wは基本的にヴァリアントの本筋に絡まないのだけど、A&Aと一緒にアーマー・ハンターズには全く関わらないひたすら楽しい作品に仕上がってる。
ひょんなことから、両組ともに過去にアームストロングがあるホーボーに託されたホーボーたちの宝が記された地図を探すことに…ということでまあアホなストーリーと見せかけて、とことんアホなストーリー。どちらかというとウッディとアーチャー、エリックとアームストロングが仲良くなるというのはけっこう意外だったなあ。ウッディが世慣れないアーチャーにいろいろ悪いことを教え込むのがとにかく笑える。あと欄外でさりげなくいろいろやらかしてるヤギが最高です。Kano先生のアートもいいやね。ひたすら楽しくて笑えるということ以外に語ることがないので、そんなコミックを読みたい人はぜひぜひ。セクト・ウォー以降のA&Aも読まなきゃ。

4位
4796871993バットマン:ブラックミラー (ShoPro Books)
スコット・スナイダー ジョック
小学館集英社プロダクション 2014-05-28

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NEW52になってからバットマンにおいて質の高い仕事をやり続けているスコット・スナイダーですが、最初に名前を売った作品がディテクティブ・コミックスでのこのシリーズ。ブルースの復帰以降もバットマンとして活動を続けるディックであったが、ゴッサムシティにジェームズ・ゴードンJrが帰ってきて…。
「お前じゃない」とジョーカーに言われてしまったディックであるけども、ではディックバットマンの合わせ鏡になる存在は何者であるのか。ブルースの時よりもより礼儀正しく情愛に満ちたバットマンの合わせ鏡が、サイコパスであるゴードンJrであるというのはその二人の出自も含めてとてもしっくりくる。謎解きやゴードン家の絆も端正に描かれ、読んでいてとにかく面白かった。またなんといってもアーティストがジョックとフランカビラというのは反則すぎるでしょ笑。このストーリーが、まがまがしくも繊細でスタイリッシュなジョックに、ゴールデンエイジの古き良きかほりと泥臭さを今の感覚で昇華するフランカビラによって描かれるのだから面白くないはずがない。今後のバットマン誌の邦訳も楽しみ。

1632150190The Wicked + the Divine 1: The Faust Act
Kieron Gillen Jamie McKelvie
Image Comics 2014-11-25

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ヤンアベのクリエイター陣のオリジナル!ということで、今年のイメージの新シリーズの中でもかなり推されていた印象。神々は2年だけ生き、90年後また再生する世界。その2年間、彼らはまるでポップスターやセレブのように過ごすのであるが…。
デヴィッド・ボウイは何とか分かるとして、他の神々にもちらほら既視感のある存在が…笑。ちなみに日本からはアマテラスが参戦している。まだ序章だけれども、ゲイマンのアプローチに近い神々のとらえ方が面白い。人々に悦びを与え、また崇拝、そして恐れを集めるポップスターとしての神々。彼らはこの世界においてどのような存在であり、また彼らの正体は何者なのか…。神々に憧れる少女ローラとルシファーの邂逅がきっかけとなって、少しずつ解き明かされていくのだろう。ヴィヴィッドできらびやかなアートがまた作風にあっていて、惹かれる。まだまだ序章なのだけれど、これからの期待感に満ちたシリーズ。

3位
475624551Xルチャリブレ -覆面戦隊ルチャドーレス・ファイブ
ジェリー・フリッセン ビル
パイインターナショナル 2014-08-12

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今年ベデ翻訳に参入したユマノイドからの一冊。そこそこ安価で面白そうな作品をいろいろ出していました。結局私が読めたのはルチャドーレスファイブのみなのだけど、これからも期待。↓秀逸だったので、そのまま引用。

明るい陽光が降り注ぎ、ゆるやかに時間が流れるアメリカ西海岸の街ロサンゼルス。人々が生を謳歌するこの街に人知れず悪の種がはびこりつつある。のんきな住民たちに代わって、悪を根絶する戦いに日夜身を投ずるのは、5人の覆面戦士―エル・グラディアトール、レッド・デモン、ディアブロ・ロコ、ドクター・パンテラ、そしてキング・カラテカ。古代アステカ文明のミイラの生まれ変わりを任ずる彼らは、メキシコの大衆格闘技ルチャリブレのマスクをかぶり、ルチャドーレス・ファイブとして、人々の嘲笑に耐えながらも世界を救い続ける…。突如出現する怪獣、謎の宇宙飛行士、時代錯誤なフランス人怪盗団!覆面戦士たちに休息はない!


ベデなんだけど、ベデという印象から受ける芸術っぽさは全くない。日本の漫画やアニメの影響も強く感じられて、非常に読みやすいし、アートはデフォルメが効いてて可愛い。中身といえばタランティーノがヒーローものやったらこんな感じになるんじゃないかなという面白さ。本筋そっちのけで繰り広げられるバカ話がとにかく楽しい。女の話、奥さんの話、映画の話…挙句の果てには敗北や嘲笑に耐えかねてあっさり心が折れちゃったり。でもそんな日常が楽しいんだよね。喧嘩はしても、仲間は裏切らないし、決めるところは決めてくれるのがまた格好いいのだ。本当に大好きなシリーズになっちゃったなあ。ぜひぜひ続刊も読みたいところ。

1401253504Wonder Woman Vol. 6: Bones (The New 52)
Brian Azzarello Cliff Chiang
DC Comics 2015-04-07

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ブライアン・アザレロ×クリフ・チャンによるワンダーウーマンのランがようやく完結!ということで年明けから一気に読んでしまった。昨年に読んだものじゃないのだけれども、まあよしと。アマゾンの女王ヒッポリタが粘土に命を吹き込んで産まれたとされていたダイアナであったが、ギリシアの神々の一人ストライフより驚愕の真実が明かされる。実は彼女はギリシア神話の主神ゼウスとヒッポリタの子どもであったというのだ。また同じころ、ゾラという女性も知らず知らずゼウスの子を宿していた。二人に怒り狂うゼウスの妻ヘラの怒りが降りかかって…。
ジャスティス・リーグのメンツの中で、このワンダーウーマンの個人誌だけは読んだことがなかった。実際映画化する際にも適当な底本がないとかで、あまり高く評価されたランはなかったのかもしれない。それもこのアザレロのWWまではということで。アザレロが描くダイアナは底抜けに強く、優しい。絶対的に弱い者の味方であり、そして敵対するハデスまでも愛せるほど、その愛は深い。その軸がランを通して全くぶれないんだよね。それが読んでいてとても心地よかった。クリフ・チャンのアートもまた素晴らしい。力強いアートにくっきりとしたカラーリングがアザレロのWWにはとてもマッチしていた。また古き神々の終わりと新しい神々の芽吹きを告げる物語でもあり、寂しさと希望に満ちた良いラストだったなあ。ダイアナの魅力を力強く伝えてくれる物語でした。次はちょくちょく書きたいと話してるスナイダーに期待。

2位
4309274900かわいい闇
マリー ポムピュイ ファビアン ヴェルマン ケラスコエット Marie Pommepuy
河出書房新社 2014-06-23

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皆殺しのアリエッティと誰かが書いてましたが、秀逸なキャッチコピーだなと笑。少女の死とともにわらわらと可愛い妖精たちが体内から湧き出てくる冒頭のヴィジュアル・イメージがまず鮮烈。彼らの平穏な暮らしは徐々に崩壊していくのだが…。ジブリ映画で蠅の王をやっちゃったかのような衝撃がまさにかわいくて闇。目は背けたくなるけれど、可愛いんだよね。
実際そんな衝撃だけでも読書体験としては強烈なのだけれども、深読みしようと思えばいくらでもできる物語ではある。死んだ少女の現身であろうオロールの無垢さ、純真さは様々な体験によって打ち砕かれ、最後には彼女の魂は決定的な変質を遂げてしまう。でもそれは必ずしも悪いことではなく、彼女が生きて自身を確立するために必要なことではあったのだ。とは分かってはいても、やっぱり最初と最後のオロールの表情を比べると震えてしまうよね。また説明はされないものの、細かい部分にまで仕掛けがたくさんで楽しい…というか気付くとさらに闇が増えるのだった。

1607069385Chew 8: Family Recipes
John Layman Rob Guillory
Image Comics 2014-04-08

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まあSagaを除けたのでCHEWも同様除けてもいいかなと思ったのだけど、この作品に関してはもう少し注目されてもいいなと思ってるので…。CBRの恒例年末ベストにおいて”CHEWが現在のコミックシーンの中でも最も独創的で奇抜なアイデアを持つ作品の一つなのは間違いないにも関わらず、ジョン・レイマンがそのクリエイティビティに相応しい評価を受けることはないだろう”なんてレビューされてましたが、全く同感なのさね。
ちょっとネタバレを避けるためにふわっとした書き方になってしまうのだけれど、CHEWのvol.6におけるラストは本当に衝撃的で凄惨だったのさ。で、避けられないであろう暗いvol.7を挟んでのこのvol.8だったわけで。読み終わって、ちょっと茫然ですよ。だってめっちゃ笑っちゃったんだもん。何でこんな悲劇の上で滑稽にダンス踊れちゃうんだろう。グロくて、滑稽で、凄惨で、とことん笑えるCHEWにしかない読み味。冗談みたいな物語の断片の数々がこんなに見事につながっていくのだ。フィクションを体験する喜びに満ち満ちてるよなあ。本当に愛すべきキャラクターだったよ! 今後も一番に楽しみなシリーズ。

1位
4796875239ホークアイ:マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン (MARVEL)
マット・フラクション デイビッド・アジャ
小学館集英社プロダクション 2014-08-27

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あんまり手を広げてもと思ってマーベルからは距離を置いていたんだけど、あんまりにも面白そうだったのでついつい読み始めてしまったのがこのマーベル・ナウのホークアイ。アベンジャーズにおけるホークアイはさっぱりだけれど、クリント・バートンという一人の男とその日常がコミカルに、でもとことん魅力的に描かれているのがいいんだよね。弓が超絶上手い以外は基本常人なので、クリントの元には手に余る事態ばかりが降りかかる。そして毎回の大怪我。実際、作中で裸足ガラスで怪我してるからじゃないけども、なんやかんや弱音吐きまくりながらやっちゃう感じにジョン・マクレーン的な魅力を感じるなあなんて思ったり。同じくホークアイを名乗るケイトとの微妙な関係(なんで私なの?と聞かれて、抱きたいと思わないから…?って笑)とやり取りも最高に楽しい。
さらにこのホークアイを決定的に傑作に高めているのは偏執的なまでのパネリングへのこだわりとデイヴィッド・アジャのアートだろう。実際細かく読んでいくと、いろんな仕掛け含めめちゃくちゃ作りこまれていることが分かる。ここらへんはヒーローものというよりむしろダニエル・クロウズのようなオルタナティブコミックを読んでいるような印象。でもそれが単にお洒落という域では全く留まっていなくて、マンガとして完璧に機能しているのが素晴らしいんだよね。クリントの格好よさも、物語の余韻も、何倍にもなって襲ってくる。刺激的で実験的な試みをポップなフォーマットに組み込む天才という意味では、まるでビートルズみたいな凄みさえあるよなあ。次巻はアイズナー獲ったピザドッグ回も収録されるはず!

1607069458Rat Queens 1: Sass & Sorcery
Kurtis J. Wiebe Laura Tavishati
Image Comics 2014-04-08

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エルフの魔法使いにドワーフの剣士、人間の僧侶、小人族の盗賊…そんな女だけのならず者パーティー。しかし国の危機に、頼りは彼女らラット・クイーンズ。クエストを受けて冒険にGO!力を合わせてゴブリンやトロール、モンスターを倒すのだ!
なんてあらすじだけ聞くと、なんて超絶手あかのついた古臭いファンタジーなんだ…と絶望してしまいそうになるのだけども笑。まさにトールキンよろしくな中世的世界観かつ種族のファンタジーで、ミエヴィルなんてとても嫌いそうな印象を受ける。でもこれがまた全然古臭くないんだよね。まずアートがいい。美麗さと血みどろな凄惨さも併せ持った刺激的なスタイルは、読む前のスレイヤーズ的なイメージを脳髄から拭い去る。そして何よりキャラクターがすんごく魅力的なのだ。近年のイメージ・コミックスの多くと同じようにより女性を真摯に描こうとしている作品の一つなのだけれども、その描き方が何とも強烈。彼女らは我慢ならないことには我慢しない。剣は血に飢え、魔法は敵を焼き、クエストが終わったら酒盛りだ。そんな豪放で痛快な冒険の陰では、実はそれぞれ繊細な心情が描かれていく。ドワーフの女性であるヴァイオレットには兄との間に複雑な関係があるようだし、ディーが使う魔法の陰には彼女は抜けたものの両親が耽溺するカルトがある。小人のベティには恋人のことで心配があるようだ。古式ゆかしきRPGのフレームはそのままに、その内部でより深度を増した面白さがここにはあるのだ。氷と炎の歌にしろダンジョン飯にしろ、まだまだトールキン式のファンタジーの中でもやれることはたくさんあるんだよね。懐かしくも刺激的。大好きです。

個人的には、昨年はイメージコミックスの勢いが印象的な年だったなと。
というか直近発表された近日スタートのシリーズを見ていると、なんかもう凄いとしか言いようが…笑。
いろいろ迷った挙句、Sagaはもう殿堂入り枠で排除。
またSouthern BastardsやSex Criminals、Velvetもバランス等を考えて泣く泣く選外に。
ここらへんはまた別にレビュー書いていけたらいいなと思いつつ。

また海外コミックの邦訳もより盛んになった年でした。
特にベデはユマノイドが参入したりともう全然気になったものも買えてないもんなあ。
ローン・スローンやシェヘラザードも読みたいんだけどなかなかお高い…。
小プロからはSagaはクァンタム&ウッディの邦訳も決まっていて、より広い作風のコミックが紹介されていくといいですね。

現行のもの以外だと、モリソンのDoom Patrol、レミーアのSweet Toothを読めたことがとても印象に残ってます。
今年もオンゴーイングと並行してぼちぼち過去の名作的なシリーズも読んでいくつもりです。
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