雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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2014 漫画ベスト10

今年も昨年に引き続きレビュー書けてないですが、ベストくらいは書いときます。
どうもTwitterで感想書いて満足しちゃう傾向にあるんで、来年は短めでもブログの方に載せたいなと思ったり。


10位
4088802640僕のヒーローアカデミア 1 (ジャンプコミックス)
堀越 耕平
集英社 2014-11-04

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まさかまさかのジャンプで始まったアメコミテイストなヒーローもの!ジャンプにナード、シルバーエイジ、ヴィランなんて言葉が載る日が来るとは…笑。人類全ミュータント化じゃないけれども、ほぼ全ての人間が個性(特殊能力)を持った世界。数少ない無個性である緑谷出久が最高のヒーローを目指す。
アメコミを意識しているだけあって、1巻のサブタイトルにもあるようにとにかく主人公のオリジンがとっても丁寧。無個性にもかかわらずヒーローを目指す根源がよく分かる。さらにこの漫画が上手いのは、アメコミテイストはあくまで要素であってその読ませ方はあくまで少年漫画的であるということで。良い少年漫画がそうであるように、こちらの気持ちはしっかりとデクに乗り、そしてその感情はクライマックスで爆発する。そのオリジンがしっかりと描かれているからこそ、その爆発の度合いが素晴らしいんだよね。またデク以外のキャラクターも個性豊かでいいんだ。デクがキャップに負けない最高のヒーローになることを楽しみにしてます。

9位
4592710649幻想ギネコクラシー 1
沙村 広明
白泉社 2014-03-26

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無限の住人ももちろんいいんだけど、才能を全力で投げ捨ててる系の沙村広明好きにはマスト!
今作はパロディ抑え目というか古典系に絞った内容になってるんだけども、何というかいい具合のバランス。結局のところ、要素要素を切り貼りさせてもある物語を元に新しいものを料理させてもこの人はめちゃくちゃ面白いもの描けちゃうんだなってことで。実は伝奇ものなんて描かせてもすごい漫画を描くんじゃないかなんて思った次第。だって竹取物語のなんて最初は何のパロなのかさっぱりなのに、最後は完璧にお下劣で最悪な竹取物語になるんだから最高としかいいようがないよなあ笑。イヴァン・ゴーリエは谷崎というよりタニス・リーの悪魔の薔薇を想起したりしたんだけど、どちらにしろ耽美な傑作でこれも大好き。

8位
B00LVSKVGI人造人間の怪 呪みちる初期傑作選I
呪みちる
株式会社トラッシュアップ 2014-08-11

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呪みちる復刊第一弾!初期作品はかなりプレ値がついていたので本当に嬉しい。
今作でも都市伝説に範をとった作品からエログロ、幻想文学的な耽美さを持つ作品までその幅は広い。共通するのはとにかく呪みちるの線と黒は美しいということで。特に美少女は悪魔的なほどに美しい。「青空の悪魔円盤」は都市伝説ものとしては呪みちる作品でも傑作のひとつ。寄生虫の話を少し読んでいたのもあってまあ怖かった。他に「人造人間の怪」は最高に振り切ったエログロナンセンス、「押入れのウーリー」は耽美な芋虫というような美しさが印象的で、特にお気に入り。

7位
4063880133白馬のお嫁さん(1) (アフタヌーンKC)
庄司 創
講談社 2014-11-21

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SF界の新星、庄司創の新作!前作、三文未来の家庭訪問と共通の世界観。男だけれど子どもを産むことができる身体を持つリタが登場したように、性のバラエティが存在する三文未来。今作では田舎から出てきた清隆がリタと似た「産む男」たちに出会い、協力して嫁さがしをすることに…。
SF漫画としてのクオリティはこれまでと同様保証済み。まだ始まったばかりだけど、ジェンダーSFとしてとても面白い漫画になるのだと思う。この作品で印象的だったのは、庄司創の漫画がどんどん読みやすくなってるなということで。「産む男」というワードはとても分かりやすいし、何といってもまさかの嫁さがしコメディですよ笑。1話でこんなにモザイク入った漫画見たことないもの。キャラクターも相当ぶっ飛んでいて、庄司創の漫画で笑うなんて思わなかったなあ。作者本人もすごく意識しているんだろうけど、絵も話もかなり読みずらさがあった勇者ヴォグ・ランバとは良い意味で隔世の感。線も話も柔らかい、でも中身はしっかり良質なSFが詰まってる。打ち切られないのかということだけが心配なんだよね。SF好きの人は間違いないのでぜひぜひ。

6位
4063770206田中雄一作品集 まちあわせ (KCデラックス アフタヌーン)
田中 雄一
講談社 2014-06-23

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田中雄一という漫画家は全く知らなかったのだけれど、四季賞受賞作やアフタに時折掲載される作品が注目されていたとか。実際かなり発売前は盛り上がっていたように思う。で、軽い気持ちで買ってみると、これがガツンと脳髄をやられるSFだった。
とにかく田中雄一は世界観の構築力が物凄い。よく社会設定が練れてるということだけではなくて、実際にどんな光景なのかが頭に見えて、そのままそれを描いているんじゃないかなんて思っちゃう。濃い絵に加えて、それだけにどの作品もリアルで気持ち悪いんだよなあ。「害虫駆除局」なんて悪寒が止まらないもの。でもその世界で描かれるのは、あくまでも人間そのものだ。世界観が圧倒的だからこそ、人間の卑小さ、卑小だけれど美しい愛が浮かび上がる。気持ち悪くて、気分悪くて、でもあくまで地続きの世界が切ない。どれもいいけど、表題作がベスト。時を超える愛なんて言葉にすると安っぽいんだけどね、この気持ち悪さと上手くハマってるんだ。

5位
4088798341アナーキー・イン・ザ・JK (ヤングジャンプコミックス)
位置原光Z
集英社 2014-05-19

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今年は色んな雑誌が休刊しちゃいましたが、アオハルが面白い漫画をたくさん出してくれたのはハッピーな出来事の一つだったと思う。集英社には珍しく同人色の強いラインナップな印象。レストー夫人やうぐいす祥子の作品集も面白かった。
アナーキー・イン・ザ・JKはアブノーマルな女子が活躍する日常もの。表紙の単眼娘や眼帯娘に加え、女装男子、興奮するとお尻が光る娘などなど…。本編に加え、同作者の他のシリーズもいくつか収録されている。
何というか、悪い意味ではなくて比較的漫画を読んでいる感覚が薄い。どちらかというとコントだったり会話劇を観ている感覚だったりする。それはもちろん位置原光Zの言語センスやキャラクター同士の掛け合いが面白いというのはあるんだけども。漫画では一つのコマにボケとツッコミを入れようと思えばいくらでも詰め込める。位置原光Zの漫画は読みにくくならないぎりぎりまで詰め込まれていて、そのバランスが絶妙。だからこそ掛け合いの体感テンポはめちゃくちゃに速くて、かつするっと笑える。量産できる作家さんではないと思うんだけど、早く次の作品が読みたいやね。平方イコルスン好きな人なんて特におすすめ。

4位
4063883388夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない (モーニング KC)
宮崎 夏次系
講談社 2014-05-23

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宮崎夏次系という漫画家はモノクロな人生に差す一瞬のカラーを鮮烈に描いてきた人だと思う。一瞬だからこそ、そのカラーは盛大なお祭り騒ぎで描かれる。その一瞬で人生が救われる。
でも今作ではそんな熱量はないんだよね。むしろ、同じくらいの力で描かれる寂寥感が印象的で…。つながろうとしてもつながれないことだけが浮かび上がる。その哀しさは笑えるけれど、笑えない。スローターハウス5がそうであったように、そういうものだという諦めがクライマックスを支配する。でもその感覚は決して悲壮なものではないんだよね。これまでとはまた少し違った形で、すごく真摯な漫画体験を味あわせてくれた。次はどんな漫画を描いてくれるんだろう。

3位
4091886639ニッケルオデオン 青 (IKKI COMIX)
道満 晴明
小学館 2014-09-30

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IKKI休刊に合わせてニッケルオデオンも完結。休刊がなければもうちょい続いたんじゃないかななんて思うと少し寂しくも感じたり。
道満晴明は沙村広明やグラント・モリソンと同じく、色んな要素のサンプリングだったり翻案に長けている漫画家なのだけれども。道満晴明の場合、もはやパロディの度合いを超えちゃってる。何でも分解・吸収して作り上げられるものはもはや道満晴明の漫画としか言えないよね。例えば「青」の冒頭なんてマーベルゾンビーズをグリム童話に翻案したものだと思うのだけど、全く原型をとどめない面白さに仕上がってる。屍鬼のような吸血鬼ものだって知能的なバトルに出来るし、お下劣な下ネタでも感動ものにできる。そんな理解不能なバラエティに満ちた唯一無二のシリーズでした。とりあえず来年はヴォイニッチ・ホテルが出ることを祈ります。

2位
4047295477五色の舟 (ビームコミックス)
近藤ようこ 津原泰水
KADOKAWA/エンターブレイン 2014-03-24

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津原泰水の傑作を近藤ようこが漫画化ということで。戦時中、見世物小屋で疑似家族として暮らす一家がくだんに出会い…。
奇形のというものに人は何故かグロテスクな美しさを感じてしまう。近藤ようこが描くフリークス一家は優しくて素朴だけれど、やっぱり美しい。でもこの漫画の美しさの精緻はやはりくだんという装置にあるものだろう。現実になったかもしれない日本の未来。水面に行きあう舟。疑似家族として暮らした彼らの鬱屈、原爆が落ちなかった日本…私たちはこちら側の舟から飛び降りた彼らを見つめる。この幻は物悲しくも最高に美しい。

1位
4120046575ドミトリーともきんす
高野 文子
中央公論新社 2014-09-24

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本当に待望の高野文子の新作!どれだけの人が待ち望んだことか…笑。
漫画で科学者の姿を描き出す、というだけじゃこの作品を説明するには足りないよなあ。なんというか、歴史上の人物を描いた漫画なんて山ほどある。でもこの漫画ほど真摯に、またこんなアプローチでその人物の一面を切り取った漫画は存在しないと思うのだ。高野文子はとても文章に敏感な漫画家で…。科学者たちの著作から漏れ出す人間性、その好奇心の核というべきものを高野文子の筆を通して紹介してくれる。それは一面の真実なのだけれども、まごうことなき真実のかほりがするんだよね。そして科学と芸術が湯川秀樹の言葉を通して最後に交差するその一瞬にとにかくいいんだ。正直、ここで紹介される科学者たちの熱量と比して、少し落ち込む部分もあったのだけれど、そういう部分も含めてやはり高野文子の大傑作の一つだと思う。まだまだ次の作品が読みたいです高野先生!

今年もたくさんの面白い漫画が読めました。
レビウス、乱と灰色の世界、ラフナス…毎年のことだけれど、ベスト10には泣く泣く入れなかったものもたくさん。

来年の一発目で海外コミックの方はやるつもりです。
冒頭でも書いたように、また少しずつレビューをあげていけたらいいな。

では、来年もたくさんの面白い漫画に出会えますように!
良いお年を!

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