雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

2013 海外コミックベスト10

明けましておめでとうございます!
昨年は、海外コミックについては英語の勉強やり直したりしつつ原書で読む冊数が増えました。
より自分の嗜好にあった作品に触れる機会が多くなって、新鮮な読書体験を楽しめた一年だったと思います。
確か昨年目標としてたことの一つがゲイマンのSandmanを読むことだったので、それを達成できたのも良かったですね。

では、変則的ですが今回は邦訳と原書で読んだ昨年の現行のシリーズを5つずつ10選という形式です。



5位
1607066041Glory 1: The Once and Future Destroyer
Joe Keatinge Ross Campbell
Image Comics 2012-09-18

by G-Tools


ロブ・ライフェルドのヒロインをキーティング×キャンベルがリランチということで。
現行のアメリカン・コミックスのヒロインに対する批評としても面白い。
アメコミのヒロインはどんなに強くても可愛くてグラマーでなきゃいけないし、そのコスチュームだって男ウケを意識したものが主だ。
一方グローリーはどんな男をも超えるような力に相応しい肉体を持ち、戦いの際には高揚して我を忘れまさに怪物のような容貌に変容する、そんなヒロイン。
ロス・キャンベルが描くグローリーはそのビジュアルのインパクトだけでもすごく刺激的だった。
もちろんストーリーも一筋縄ではいかなくて、明かされないことや説明されないことばかりで何というかとてももぞもぞする読み心地。
一般的なヒーローもののお約束からは完全に逸脱しちゃってる奇妙さとヘンテコさ。
しかしこれは何よりもグローリーとライリーが運命に立ち向かう物語であって。
馬鹿らしいくらいの欺瞞と定められた運命に立ち向かう二人の姿には最高に熱くなった。
だってたった2巻に収まる物語なのに、たくさんの台詞や場面が頭に焼きついているもんね。

4796871942バットマン:アンダー・ザ・レッドフード
ジャド・ウィニック
小学館集英社プロダクション 2013-12-18

by G-Tools


バットマン:HUSHに連なる物語としてかつてジョーカーに殺された二代目ロビン、ジェイソンのレッドフードとしての復活を描いた一作。
正直な所、HUSHはジム・リーの絵はもちろん素晴らしいのだけど、良くも悪くもお祭りのような作品に感じられる部分があってあんまり気に入ったとは言い難くて…。
でもこちらのUTRHはバットマンの不殺の精神を問うとても読み応えのある一作だった。
ラストにおけるジェイソンの悲痛な叫びとバットマンの答えがずっしりと響く。
偏執的なほどの不殺の裏にあるバットマンの感情は怒りと憎悪に渦巻いていて、だからこそよりバットマンの狂気ともいえる意志の硬さがひしひしと見えてくる。
読んでいるとどうしてもトライガンのヴァッシュを思い出しちゃうな。
バットマンにもいつか"選ぶ日"は訪れるのだろうか。

4位
1607061597Chew: Taster's Choice
John Layman Rob Guillory
Image Comics 2009-11-25

by G-Tools


チキンが鳥インフルエンザの爆発的な被害によりご禁制となった世界。
トニー・チューは食べたものの情報、つまり素材や場所、肥料そして生き物であればその情報を読み取ることが出来る能力を持つFDAのエージェント。
そんなチューの活躍を描くシリーズなわけですが…これは短く説明するのが難しいぞ笑。
何といっても世界観が独特すぎるもんなあ。
とにかく言えるのはめちゃくちゃ奇妙で絶対に先が読めないってこと。
そしてユーモアからシリアスまでの振り幅が半端じゃない。
底抜けに奇妙でヘンテコな世界観とキャラクターがタイトに物語られるという感動。
混沌がコントロールされているというか…ジョン・レイマンは本当に凄いライターだと思う。
ギロリーのカートゥニックなアートも素晴らしくて、特に漫画を読み慣れている日本人好みじゃないかな。
可愛くて、ユーモアに満ちていて、それでいて勢いが感じられて、本当に私は気に入ってます。
また7巻まで読み終えたらまた改めてレビューを書くつもり。

4903090329ザ・デス・レイ日本語版
ダニエル・クロウズ Daniel Clowes 中沢俊介
PRESSPOP INC 2013-06-28

by G-Tools


ダニエル・クロウズというオルタナの巨匠が描くヒーロー・コミックだから、もちろん一般的なヒーローものとは全く違う。
主人公がスーパーパワーを、殺人光線を出せる銃を手に入れた時に見えてくるのは何なのか…。
絶対にこの作品で見えてくるのは自分の中のヒーローの姿じゃあない。
目の前に横たわるのは力を持ったからこそより大きさを増す、変わらない現実の姿と自らの内面。
圧倒的な虚無感に呆然とするしかなかった。
これがヒーローものとして色物なんて言えないよね。
装丁も値段の安さを逆手にとってというか、高級なリーフにようですごくいい感じ。
ページ数の少なさで購入を躊躇する人もいると思うのだけれど、それ以上の読み応えがあるのは間違いない。

3位
1600102379Locke & Key 1: Welcome to Lovecraft (Locke & Key (Idw))
Joe Hill Gabriel Rodriguez
Idea & Design Works Llc 2008-09-15

by G-Tools


ずーっと読みたかったジョー・ヒルのホラー/ファンタジーコミック。
凄惨な父親の死をきっかけに秘密に満ちた先祖から伝わる館に引っ越すことになったロック一家。
しかし館に封じられた邪悪な存在は自らを解放し、そしてさらなる何かを手に入れるために館に様々に隠された鍵を求めていた…。
IDWは少しお値段高めなので躊躇してたんだけど、完結を機にデジコミがセールしてたので全巻買ってしまった上に夢中で3日で読んでしまうという。
そのくらい素晴らしく面白かったので、改めて紙で買い直したいなと思ったりしてるわけですが…。
ジョー・ヒルはキングの息子というだけあって、ホラー色の強い小説を書いてる作家。
でも特に20世紀の幽霊たちを読めば分かるように純文学からファンタジー、ヒーローもの、奇妙な味まですごく引き出しの広い人だよね。
ロック&キーはそんなジョー・ヒルが色んなものを魔法のようにミックス・調理して最高にわくわくさせてくれるコミックだった。
魅力的なキャラクターたちが導かれるシリーズの大団円は本当に素晴らしかった。
こちらも語りたいことがいっぱいなのでまた改めて。

404728890Xヒットマン1
ガース・エニス 海法紀光
エンターブレイン 2013-08-31

by G-Tools


ガース・エニスのコミックが出るとなった時にまさかこれなんだってみんな思ったはず笑。
犬溶接マンがネット界隈で話題になったりと訳者の海法さんが上手く盛り上げて刊行までこぎつけてくれたようでありがたいなと。
星のポン子と豆腐屋れい子の時におれが好きだったアフタが帰ってきた!…なんて書いたわけですが。
ヒットマンはおれが好きだったVERTIGOが邦訳となって帰ってきた!って感じ。
ここ1年くらいムーアのスワンプシング、サンドマン、ヘルブレイザーと創立当初のVERTIGOのコミックをよく読んでるのだけど、やっぱり独特の雰囲気があるよね。
それまでのヒーローもののお約束に縛られず、より作家性が強くて、新しいことをやってやろうという気概に満ちていて…どれもこれも作風は違っていても刺激的な空気が漂っている。
何といってもトミー・モナハンのキャラクターが素晴らしいよね。
特殊な能力を手に入れても、彼が暮らすのは馬鹿で愉快な仲間と過ごすアホな日常。
イーストウッドの映画に憧れハードボイルドな台詞を口ずさんでも、決まるようで決まりきらない。
でもバットマンにさえゲロを吐いちゃうモナハンはだからこそ格好いい。
全体を通してイカしたアトモスフィアですが、ロボvsセクション8は最高です!
2巻の刊行が待ちきれないよ!

2位
1607066017Saga 1
Brian K. Vaughan Fiona Staples
Image Comics 2012-10-23

by G-Tools


問答無用というか文句無しというか…ロック&キーもそうですが、もはや現行のシリーズなのに古典の風格すら漂ってるくらいだよね。
SagaはY:the last manのブライアン・K・ヴォーンによるSF/ファンタジー。
壮大なスペースオペラといったらスターウォーズを連想するかもしれないけれど、Sagaで描かれるのはもっとミニマムな部分。
異なる2種族が相争う世界の中で、敵と味方のはずが恋に落ちたマルコとアラナは両陣営から追われることに。
彼らとその子どもの逃避行を主軸に暗殺者、元婚約者、幽霊と色んな人物が絡み合っていく。
恐らく銀河の趨勢には影響しないであろう、小さな物語…でもだからこそSagaには逃避行が進むにつれて想像も出来ないような世界とその成り立ちを少しずつ覗き見ていくわくわくがあるんだよね。
細かい部分まですごく作りこまれているし、とにかくキャラクターのビジュアルやら文化やら全てがぶっ飛んでいて楽しいんだ。
そしてまたヴォーンが描くキャラクター同士の会話や絡みがキレキレなのさ。
よくもこんなに滑稽な場面の連続、そして親しみのわくようなキャラクターを作り上げるよ。
冒頭の敵に囲まれながらの出産シーンが、あんなに愉快な場面になっちゃうんだもんなあ笑。
フィオナ・ステイプルのアートは優しいながらもとても独特で、個性的なこの世界観とすんごく調和してる。
その始まりから、そして今後もアメコミの最先端の一つとしてひた走り続ける作品であるのは間違いないので、今面白いアメコミが読みたければ絶対これ!

4796871594塩素の味 (ShoPro Books)
バスティアン・ヴィヴェス
小学館集英社プロダクション 2013-07-24

by G-Tools


これはかなりの劇物の類なので取り扱い注意!
ちょっと死にたくなるくらい甘酸っぱいもの笑。
表題作、僕の目の中で共に恋や女心だったりを描いている。
とくに二作目はそうだけれども、一人称のベデというのが特徴で。
それはつまり語り手が自分ということではなくて、描かれる景色が彼らの目を通してみるものであるということ。
これは漫画という形式でしか出来ない一人称作品だよね。
彼らが見る女の子の姿を通して見る彼ら自身のほのかな恋心、そして女心の不可解さ。
それをいやというほど追体験させられるものだから、もう死にたくなるよなあ笑。
また表題作のプールの青さがとにかく美しい。
そして女の子へ向ける視線とちょっとしたやり取り…切なすぎてたまらない。
ぜひ同作者の他のベデも読んでみたいな。

1位
1401237754Dial H Vol. 1: Into You (The New 52)
China Mieville Mateus Santolouco
DC Comics 2013-04-23

by G-Tools


コミックを読む動機として、もちろん面白い物語を読みたいってことがあるのだけれど…。
そして子どもの頃は面白い=奇想天外な怪物だったりキャラクターだったりってことは確実にあったよね。
そんな童心をダイアルHはこれ以上なく満足させてくれる。
もちろん話だって面白いのだけれど、とにかくページめくるだけで宝箱を開いているようでめちゃくちゃ楽しいもの。
元々ミエヴィルのファンタジーは色んな舞台をツギハギにして物語を紡いでゆくような印象があって、すごく映像的な小説でもあった。
それをサントルコがミエヴィルの奔放な想像力を本当に紙面に立ち上げてくれるのだからたまらないよね。
ヒーローものとしてはストーリーは想像の斜め上だし、太った中年男性と老女のコンビなんて普通だったらありえない。
でも奇想天外なキャラクターやポカンなストーリーはおもちゃ箱のようで、ありえないコンビは読んでいるうちに大好きになっちゃう。
普通を逸脱した所に子供の頃のようなわくわくはあって、ミエヴィルは大人にその興奮を味あわせてくれる稀有な作家なんだよね。
そして実はネルソンの成長の中にヒーローものの精神だって息づいている。
癖はあるのは確かだけれど、驚きとわくわくを求める人には他ではありえない体験をさせてくれる。
昨年一番偏愛したシリーズだった。
DCが打ち切っちゃったのは相当恨んだものだけど、ちょうどいい分量ともいえるかな。
またミエヴィルがコミックの世界でも活躍してくれることを期待してます。

4796871527スーパーマン・フォー・オールシーズン (ShoPro Books)
ジェフ・ローブ ティム・セイル
小学館集英社プロダクション 2013-05-29

by G-Tools


初めて読んだDCのヒーローものはバットマンだったことに加え、スーパーマンは邦訳に恵まれているとは言えないよね。
DC双璧の一方であるのにスーパーマンのことはあまり知らなかった私のような人にはよりおすすめ。
スーパーマンを植物になぞらえて物語るこの作品にはスーパーマンの魅力がいっぱい詰まっている。
「理想の自分になることは、誰にとっても難しいの」
スーパーマンをもってしても限界はあるし、それは人間と変わることはない。
だからこそ挫かれても理想を追い続け、周りの人間の良心を目覚めさせ続けるスーパーマンの姿は眩しくて、でも決して神の力を持ってはいても共感が出来るヒーローの姿だった。
スーパーマンとして土台を築いていくスモールビルでのゆったりと育まれるクラークの姿。
虚栄心と尊大な上昇欲に溢れる人間の極北としてのルーサー。
一度は折れても力強さを増して再び立ち上がるスーパーマン。
ティム・セールのアートも相まって、ただ温かいだけではなくて、芯のあるスーパーマンの魅力を存分に知ることができた。
本当に大好きだなあ、このスーパーマン。

海外コミックについては今年はより原書の比重が高まっていくことになりそうです。
さてどんな面白いコミックを読むことになるのか…。
漠然とDCのヒーローコミックを少し控えつつ、IMAGE等のオリジナルのシリーズが多めになるかなという予感はあります。
あと年始にヴァリアントの作品をいくつか読んでましたが、こちらはユニバースがより個人誌が集合した群像劇の様相をなしていて歴史が動いていく実感が楽しいです。
今年も漫画では読めないような面白いアメコミ、ベデにたくさん出会えることを期待してます!
スポンサーサイト

| 漫画 | 00:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://honetsukitaro.blog.fc2.com/tb.php/335-dce19d1c

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。