雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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Glory:『The Once and Future Destroyer』『War Torn』

ツイッターでオススメされたイメージコミックスのヒーローもの。
2巻で一シリーズなので非常にさくっと読める。
これがまた変で歪で最高に熱くなれる物語だったのです。

1607066041Glory 1: The Once and Future Destroyer
Joe Keatinge Ross Campbell
Image Comics 2012-09-18

by G-Tools
★★★★



 ヒーローたちがいなくなった時代。大学生の女の子ライリーは幼い頃からかつて活躍したヒロイン、グローリーの夢を繰り返し見ていた。グローリーの存在を確信したライリーは彼女を探す旅に出て、そしてついにたどり着く。しかしグローリーは何者かによって大怪我を負わされていたのだった。グローリー、そしてライリーたちの前に立ちはだかる運命とは…。

 最近イメージコミックスはロブ・ライフェルドの過去作品のリランチをどうやらちょこちょこ行っているようで、Gloryもその一つ。現在こそクリエイターオウンの刺激的なコミックを発表する場となっているイメージですが、かつてイメコミもDCやマーベル同様ヒーローもののシェアワールドを展開していたらしい。
 私でも名前だけ知っているものだと、やっぱりアラン・ムーアのシュプリームだよね。あちらがムーアによるスーパーマンの焼き直しだとすれば、神々を両親に持つ勇敢な姫君を描くGloryはワンダーウーマンのそれと言えるのかもしれない。まあ、相当にえげつない焼き直しだけども笑。

glory2.jpg

 Gloryで描かれるのは戦うヒロインの美しさでは決してないわけで。徹底的に怪物的で、力強く、暴走の可能性も秘めながらも、グローリーはこうと決めたら敵に向かって突っ走っていく。そこにあるのは血と臓物と暴力だけであって。冒頭で戦車を叩き潰す片手間にナチス兵の腰をさくっとひざで叩き折る彼女の姿はちょっとした衝撃だよね。
 そんな暴力を辞さないグローリー、そして突飛な容姿のモンスターたちを描き出すロス・キャンベルは本当に素晴らしい! ここではついつい正視に耐えないような画像を載せちゃったけれども、柔らかくて、それでいて歪な魅力的な世界観を体験させてくれるんだよなあ。

glory3.jpg

 物語に乗せてくれるのはロス・キャンベルのアートであることは間違いないんだけど、また刺激的な物語もいいんだよねぇ。#23からという大きく時を空けた引き継ぎにも関わらず、本人によって、もしくはライリーの夢によって語られるグローリーの過去は本当に最低限のソリッドさ。
 この物語の削ぎ落とされ方というのはグローリーの過去に限ったことではなくて、背景の出来事がとにかく分かりづらい。何故ライリーは夢を見たのか、グローリーは何の疑問もなくライリーを受け入れたのか、グローリーのパパママ戦争の裏で起こっていたこと、そして最終決戦…。

 1巻読んだ時点では正直この癖のある語りにうーん…なんて思っていたのだけど、2巻読んで180°印象が変わってしまって。要はこのリランチしたGlory2巻は決められた運命に立ち向かう物語だったんだよね。大事なのは周りで起きている出来ごとよりも、それに抗うグローリーとライリーの姿であって。
 作中で幾度となく繰り返される“I'm ready for anything(私はどんなことでも準備が出来ているわ)”というグローリーの台詞をあざ笑うかのような馬鹿らしい展開には、時に笑ってしまうくらいに滑稽なグローリーの姿が垣間見えて心底哀しくなった。そして運命は力を持って抗えるものではなくて、イカサマのように修正が効くものではなくて、意思こそが何よりも強いものであったからこそ、決められた運命に立ち向かうライリーの姿には心底熱くなった。ヘンテコな物語だけど、ヒーローものの精神はびっしり詰まっているんだよね。

 本当に色んな意味で変なヒーローものなんだけどねぇ。とにかくグロくて、歪な物語で…。でも削ぎ落とされた物語だからこそこの鮮烈な歪さに震えたし、1巻からすればありえないような失調感の伴うあのラストには笑いながら泣かされてしまった。何にも準備が出来てないグローリーの笑顔は最高に素敵だったよ。刺激的なヒーローものを読みたい人におすすめ!
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