雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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自称でも本物でも本読みは読まなきゃ!『バーナード嬢曰く。』

とにかく本読みは読もう!

4758063710バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)
施川 ユウキ
一迅社 2013-04-19

by G-Tools
★★★★


 
 名言集を傍らに携え、本が読みたいというより読書家ぶりたい読書家町田さわこ。自らをバーナード嬢と称する彼女と、ちょっと前に流行した本を読むのを趣味とする遠藤、SFマニアの神林しおり、図書委員の長谷川スミカの4人のゆるーい文学語りだったり、書評のやりとりだったり。

 作中でSF好きを名乗るには最低1000冊なんて言われているのを見ると、中々SF好きとは言いにくいなあ笑。実際何冊読んだのかは分からないけれども、200冊とかそんなもんじゃないかと思う。そんな私でも、作中で言及される本にはSFが多いだけに、登場人物の言葉がいろんな意味で刺さる刺さる。ちなみに作者のサイトで少しだけ試し読みができるので、雰囲気を知りたい方はどうぞ(→*)。

 SFの定義とは何ぞや談義にうんざりだよ!っとキレる神林に膝を打ちながらけらけら笑って、でもコマの外で紹介されている作家の代表作にこれじゃないだろなんて思っちゃう自分の面倒くささに苦笑しつつ、百年の孤独を読んで人名に混乱するド嬢の「……南米め!」に激しく同意して、神林の「本は読みたいと思った時に読まなくてはならない。その機会を逃し『いつか読むリスト』に加えられた本は時間をかけて『読まなくてもいいかもリスト』に移りやがて忘れられてしまうのだ」にぐさりとやられる。絶対『マエストロを殺せ』は『死ね、名演奏家、死ね』の方が良いよねぇ。
 そんな読書家あるあるでもあるし、だらだらとした書評らしきもののやりとりでもある。そもそもド嬢の読書に対する態度からして適当の極みみたいなもんなので、肩肘張らずに気楽にくすくす笑いながら読めるのが良いやね。でも根底にはずっと本を読むことへの愛情がずっと流れていて。

 主要キャラクターの中でも、特に目立つのはド嬢はもちろん、何といっても神林さおりが素晴らしい。いやもう今年読んだ漫画のキャラの中でも一番可愛い。ディックの初邦訳短編の感想を聞かれて「ディックが死んで30年だぞ! 今更初訳される話がおもしろいワケないだろ!」なんてシビれる台詞を吐いてくれる彼女は最高なのである。SF好きの業の塊みたいな面倒くささがとにかく愛おしいんだよね。また面白いのが、読書家ぶりたいド嬢にも、SFマニアの神林さおりにも、対照的な二人共の中に自分の姿が見えるって所で。この二人の対照的な視点の面白さが、この漫画がただの読書家あるあるで終わっていない部分だと思う。
 私は高校の時まであんまりSF小説を読む機会がなくて、でもSFが好きだという意味の分からない確信はあったし、読んでおかなきゃって使命感もあったんだよなあ。で、結果SFを好んで読むようになった今の自分にはSFの邦訳タイトルや、復刊本の表紙のデザインなんて普通の人にはどうでもいいこと(確かにディックのは格好良い!)を熱く語っちゃう面倒くささだってあるわけで…。ド嬢を見ていても、神林さんを見ていても、二人共がすごく愛おしいし、でもそれは自分の姿を見ているようでもあるから何となくこそばゆい。

 そんな読書家愛に満ちあふれた傑作なので、自称でも本物でも本読みはとにかくおすすめ。読書家あるあるにけらけら笑って、でも何もかもがとにかく愛おしいもの。

 最後に、イーガンの本を「みんな実は結構よく分からないまま読んでいる」「イーガン自身も結構よく分からないまま書いている…という説がある」という神林さんのお言葉には勇気づけられたことを告白しておきます。「本の向こうで、あらゆる理解度の作者が量子学的に重なり合って存在している…(以下略)」なんて面倒くさすぎる言い訳しちゃう神林さんがまた良いんだ。
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