雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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完結によせて『空が灰色だから』

完結ということで、特に気に入ってる短編の話など。

4253217192空が灰色だから5(完結)(少年チャンピオン・コミックス)
阿部共実
秋田書店 2013-03-08

by G-Tools
★★★★


 
 実を言うとMASTERキートンやアフター0みたいな連作短編もので、個人的なお気に入りをセレクトするってのに憧れてたのです。ちょうど「空が灰色だから」が完結したので、作品を振り返りながら。

2巻
・金魚
・こわいものみたさ
・信じていた
・黒
3巻
・4年2組熱血きらら先生
・ただ、ひとりでも仲間がほしい
4巻
・漏らしたくない
5巻
・飛んで落ちて死んで
・さいこうのプレゼント
・歩み

 空灰の大きなテーマは少年少女のディスコミュニケーションを描くことにあったと思う。それがホラーであっても、人情ものであっても。1巻から多彩なバリエーションで、彼らの心は何度も何度もすれ違い続けてきた。その落とし方の衝撃としては「信じていた」、心底ぞっとするのは「4年2組熱血きらら先生」。本当に怖いよねこの二つ。もちろんポジティブにすれ違う作品だってあって、そういう意味では「飛んで落ちて死んで」なんて好きだな。死にたくなる程のやり切れなさを抱えながらも前に歩いて行かなきゃいけない「歩み」は、現実の私たちだって背負っていかなければいけない(でも忘れがちな)重荷を描いた本当に空灰に相応しい最終話。気持ちいいほど最後まですれ違い続けてくれました。
 人の本当の顔の裏に潜むものを描いた短編もいくつもあった。その中でも「金魚」が一番ピュアで鮮烈。またこの人はオチが上手いんだ。彼女はどんな顔をしていたのか…ざわざわする〜。「ただ、ひとりでも仲間がほしい」はそんな彼らの繋がりたい希求をこうまでヒリヒリと描けるのかって怪作。

 かなり広いジャンルをカバーしている作品集なので、どれが好きかでその人の好みがある程度知れるんじゃなかかと思ったり。リストを見れば分かると思うのだけど、私が一番気に入ってるのは2巻なんだよね。「こわいものみたさ」「黒」あたりは読んでいてもにょもにょしちゃう、居心地が悪くなる奇想系の短編でこの2つが一番私の嗜好を反映してるんじゃないかな。
 可愛らしさ部門では「漏らしたくない」の彼女が大好きでしょうがない。結局心の内も何もかも漏らしちゃった彼女はカバー裏も含めて最高です。ホラー系統だと「さいこうのプレゼント」はサイコ系ラブコメの皮を被ったガチな猟奇ものということで、見事に心を食いちぎられた。

 「さいこうのプレゼント」が体現するように、『空が灰色だから』は可愛らしい絵柄を被って実に色々なことをやってくれました。奇想、ホラー、猟奇、コメディ、人情もの…出発点からは想像もつかないところに着地する短編に毎度心が踊ったなあ。もうこれ限りで空灰が読めないのは寂しいけれど、また阿部先生の異才っぷりが存分に発揮された新しい作品を楽しみにしてます。
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