雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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日常を飲み込む怪奇『りんたとさじ』

まだまだ面白い、そして怖いホラー描ける人は隠れてるんだろうなあ。

4022131470眠れぬ夜の奇妙な話コミックス りんたとさじ (ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
オガツ カヅオ
朝日新聞出版 2009-10-07

by G-Tools
★★★★


 
 最近ちょこちょこ面白そうなホラー漫画探してるわけですが、なかなか好みに合いそうなのが見つからない…。というか面白い作品描いてる人はいるんだろうけど、単行本になる(そして続刊する)ホラー漫画家って本当に一部ですよね。安心なのって最近だと押切蓮介ぐらいじゃなかろうか。

 で、美女アマンダのレビューでも触れたように、気になってた漫画がこの『りんたとさじ』。著者のオガツカヅオはちょうどこの前出た放浪息子の14巻におまけ漫画を寄稿してました。2ページなので内容はもちろん薄いんだけど、しっかりホラーしてて、何よりささちゃんが可愛かった。

 ストーリーはタイトル通りりんたとさじが出会う怪異譚。さじの謎めいた彼氏、験担ぎオタクのりん太は何やらアルバイトで霊関係のお仕事もしているようで、彼に付き合うさじも怪しい世界に足を踏み入れいていくことに。

 あらすじだけ聞くと、いたって普通のホラー話。しかしこれがまた相当に怖い。オガツカヅオの絵は決して上手くはないんだけど、とにかく日常でもホラーでも勢いがあって振り幅がでかいんだよなあ。各話の冒頭でさじがはっちゃけてる場面なんて、軽く作画崩壊してるくらいのウキウキ具合だもの。
 そしてそんな日常から足を踏み外す様を描くのがオガツカヅオはめちゃくちゃ上手い。境目が見えないんだよね。気づいたらさじと一緒に深い穴の中に放り込まれてる。さっきまで普通の日常を生きていたはずなのに…。その落差には戦慄したし、心底震えた。

 「炬燵の人」「味の人」「穴の人」の作品はどれも怪異に飲み込まれる一瞬はとても怖い。その一瞬をオガツカヅオは本当に鮮烈に見せてくれる。鳥肌びんびん。ただこれらに共通しているのは、すべての作品の奥底には人間の心の傷と癒せない悲しみがあるってことで。そこにはやっぱり絵空事ではなく現実と地続きの哀しさと恐怖がある。だからこそ恐ろしいだけでなく、最後には心にしんみりとくるものがあった。一方「妖精の人」は少々はっちゃけすぎて笑ってしまったんだけど、これはこれで息抜きとして…。ある意味モンスターSFなのであいつが苦手な人はやばいかも。
 一番ストレートに震えたのは「泣く人」だったかな。これはさじが霊に憑かれる話なのだけれども、作中で映るアニメとストーリーが絡み合ってそのビジュアルショックが何とも忘れられない鮮烈さ。“そしてまたあたし達も再会を果たしたのです”…思い出しても鳥肌の立つ、実に素晴らしくえげつない話でした。さじ、一応ヒロインなのに笑。

 ということで、ホラー好きの方には間違いなくおすすめ。この後も連載は続いていたようですが、この1巻ではキリの良いところで終了してるので消化不良感はないかと。いや、本当に面白かったので『りんたとさじ』の続刊だけでなく短編集だったり何でも良いので、オガツカヅオの漫画はもっと単行本化して欲しいなあ。
 次は何となく縁がないようで読んでなかった押切蓮介のホラーものや、ちょっと前の方ですが犬木加奈子でも読んでみようかと思ってます。少し前に伊藤潤二が怒り新党の新三大で紹介されてましたが、今度日野日出志なんて来ないでしょうか。そして日野日出志傑作選or全集なり刊行とならないかなあなんてね。
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