雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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Fables: The Deluxe Edition Book One

Vertigoの大人気シリーズのデラックス版第一巻。

140122427XFables: The Deluxe Edition Book One
Bill Willingham Mark Buckingham
Vertigo 2009-10-06

by G-Tools
★★★★


 
 DCコミックの大人向けレーベルVertigoの大人気シリーズのFables。今も昔もVertigoは比較的より大人向けの成熟した作品を出しているDCコミック内のレーベルで、最近は主にクリエイター自身が著作権を持つ作家性の高い大人向けの作品を供給している所。ヘルブレイザーの終了で、かつてのアニマルマンやスワンプシングのようなVertigoユニバースは完全に止めを刺されました(合掌)。顔であったカレン・バーガーもやめちゃってどうなっちゃうんでしょうVertigo。最近はイメージ・コミックが元気だよね。

 Fablesにおいて、おとぎ話の住人は“The Adversary(魔王)"に彼らが住む世界を追い出されてしまった。彼らは私たちの世界に逃げ出して、普通の人間に気づかれないようにニューヨークに隠れて生活しているのだ。このデラックス版1巻には、TPBのそれぞれ1巻と2巻であるLegends in ExileとAnimal Farmが収録されている。

 Legends in Exileでやってるのはオーソドックスなミステリー。Fablesの住人たちの実務面を取り仕切るスノウ(白雪姫)の下に、取り乱した様子のジャック(豆の木の)から凶報が飛び込んでくる。何と彼の恋人であり、スノウの妹でもあるローズ(白雪と紅バラ)が殺されたというのだ。おとぎ話の住人たちの刑事的な存在であるビグビー(三匹のこぶたの狼)とスノウは共に捜査にあたることになる。

 このLegends in Exileを初めて読んだ時は面白くないわけではなかったんだけど、正直期待外れな気持ちもあった。私はこの話を、その世界観でしか成り立たない異世界ミステリーと思って読んでいたから。ジャック・ヴァンスの「月の蛾」なんで異世界ミステリーの大傑作だったけど、ああいうのを期待していたわけで。
 Legends in Exileは別にFablesの世界じゃあなくても成り立っちゃうんだよね。オーソドックスなミステリーを、おとぎ話の住人が演じているという印象。ミステリーとしてもあんまり出来が良いわけでもなくて、わりと先は読めちゃったし。むしろ私の期待を満たしてくれたのはめちゃくちゃ強気で口の悪いスノウだったり、長年連れ添いすぎて美女の愛が冷めてきたために野獣に戻りかけているMr.ビーストや、“人間の男の子になりたい”という願いをブルーフェアリーがあまりに厳密に叶えてしまったために延々と大人にはなれないピノキオというような細かな再解釈だったりする。三匹の子豚の三男コリンは大昔に食われそうになったことをネタにビグビーの家に居座ったりもしてる(豚最高!)。久正人「エリア51」はFablesと似たようなことをやってるんだけど、久正人はそういうおとぎ話や民話の再解釈を上手くクロスオーバーさせて話を作るのが抜群に上手い。

 しかしAnimal farmを読んでそんな印象がまた変わってくる。この話についてはLegends in Exileの結末とも関わってくるのであまり詳しくは説明しないけれども、要は人間の世界では姿形で招待がバレちゃう(and魔法で姿形を隠す金もない)おとぎ話の住人たちが暮らす“The Farm"で起きる陰謀劇だ。
 多分ミステリーしろ陰謀劇にしろ他ジャンルの物語をおとぎ話のキャラクターに演じさせるのがウィリングハムの主眼だと思う。“演じる”というのはまたキャラクター設定の面白みでもある。例えば王子様であるプリンス・チャーミングが白雪姫以外にもシンデレラ等の王子様でもあるわけ(そりゃああれだけ浮気性のろくでなしなわけだ)。「白雪姫」と「白雪と紅バラ」は全く別の作品だけれど、Fablesでは同じスノウである。さらに死んだキャラクターはどうやら他のキャラクターが演じることも可能なようだ。

 ここらへんの面白みは多分話が進めば進むほど深まっていくんじゃないかな。“The Adversary"とどう関わっていくかも含めて実に楽しみなところ。実際現在TPBで18巻まで出ているFablesだけど、全くその人気は衰えていないらしいのですごいよなあ。デラックス版で少しずつ私も読み進めていくつもりです。同じような設定の作品だとCastle Waitingも気になるんだけど、そちらはまたおいおいね。
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