雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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Animal Man : 「The Hunt」「Animal Vs. Man」

ジェフ・レミアの怪奇でグログロな家族ヒーロー物語。

Animal Man Vol. 1: The Hunt (The New 52)Animal Man Vol. 2: Animal Vs. Man (The New 52)
★★★★


 
 リランチしたDCコミックのNew52のアニマルマンの1巻と2巻。ライターはカナダ人のジェフ・レミア。レミアは元々トップシェルフの『Essex County』で名を上げた人で(これ読みたい)、ライターとしてだけではなく非常に味のある絵を描くカートゥニストでもある。ヒーローものだとあんまり作風が合わないせいか、描かせてもらえないようだけれども…。
 New52でもスコット・スナイダーと並んで今ノリにノッてるライターだよね。このアニマルマンを皮切りに共作もあるにしろJLD、グリーンアローそして何といってもコンスタンティンまで受け持ってんだからDCの期待も分かろうってもんです。これでVertigoでも継続して作品発表していくようだから働き過ぎじゃないかと心配だったり。

 アニマルマンの正体は家族思いの良いパパであるバディ・ベイカー。スタントマン、環境保護活動家、俳優…と落ち着くことが出来ないバディの奥さんヘレンは家族の今後の生活を心配していた。話し合うバディとヘレン、そしてペットを買ってもらえない娘のマキシン。そんな時に病院で人質立てこもり事件が起こる。アニマルマンの力を使って騒動を収めるバディであったが、彼の目からは突如血の涙が…。その夜悪夢を見るバディ。そして翌日エレンの悲鳴に目覚めたバディが目撃したのは動物の死骸と戯れるマキシンの姿だった。「ご、ごめんなさいダディー。私、ただ自分のペットが欲しかっただけなの。」

 動物を司る”The Red”、植物を司る”The Green”、腐食を司る“The Rot”の3つがバランスを取り合ってこの世界は成り立っている。アニマルマンは動物の力が宿るライフウェブ“The Red”にアクセスして動物の力を操るわけだ。しかし実はThe Redの守護者はマキシンであり、バディは仮の代理に過ぎないことが明らかになる。バランスを崩壊させようと攻め来る“The Rot”から家族を守りながら、植物の守護者であるスワンプシングの元へ向かおうというのが大まかなストーリー。
 家族と関わりの深いヒーローというのはグラント・モリソンの路線をそのまま受け継いでいる感じ。ちなみに冒頭にはジェフ・レミアがバディにインタビューするというこちらもモリソン的なメタメタなネタが仕込まれてたりもしてる(ここのサイトが翻訳してくれてる→)。でもとことん情けなかったあの頃と違って人気者の現在のアニマルマンには嬉しいような寂しいような笑。ちなみに“The Green”はアラン・ムーアのスワンプシングにおいて語られる設定で、後にアニマルマンにおいても同様の設定が採用されたということ。なので、アニマルマンとスワンプシングが活躍するこの『ロットワールド』シリーズはムーアの世界観が下敷きにあると言えるかもしれない。“The Rot”の黒幕もあいつだしね。

AMtri6.png

 トラベル・フォアマンの描く家族の日常シーンは最初読んだ時には、相当淡白な印象を受けたのを覚えている。カラリングはシンプルで、描き込みも少ない。でもそれがレミアの活き活きとした人間描写と噛み合っていてとても良い。少々フラフラしてても家族思いのバディ、バディを愛しながらも何よりも子供たちを心配するヘレン、闊達できかん気なクリフ、そして子供らしくも運命に懸命に立ち向かおうとする可愛いマキシン。また2巻で登場するThe Redの守護者が現世に顕現した猫のソックスがまた良いキャラしててねぇ。マキシンの前で猫の姿でおしっこをしなきゃならない事態に「こんな屈辱を受けると知ってたら、こんなこと引き受けなかったのに」なんてぼやく猫最高。とにかくキャラクターが良いのよ。

AM1.png

 そんな家族だから序盤のバディは本当に幸せそう。ちなみにモリソン期のジャケットonもっこりタイツ+スタイリッシュゴーグルスタイルはどうやら夢の中でなかったことになったようです。

AM3.png

 “The Rot”の敵はその名前通り、実におぞましい。この画像のやつなんて序の口なので、苦手な人はやばいかも(ただ個人的には生々しさがないので別に平気)。でもアニマルマンにおけるホラーコミック的な恐怖はそんなおぞましい敵に感じるものではなくて…。こんなにも愛おしい家族が傷つけられてしまう、殺されてしまうかもしれないという恐怖なのだ。魅力的な家族だからこそ、読んでいる私たちもバディと一緒にそんな家族が損なわれてしまうことにビクビクしてしまう。
 アニマルマンの魅力はその家族シーンの楽しさ、そして対照的なホラーのおぞましさが混在していることなんだよね。フォアマンのアートは日常をひたすら優しく、ホラーをひたすら醜悪に描き分ける。その乖離がとにかく鮮烈で物語から目が離せない。なので2巻の途中でペンシラーが変わったのは残念だったなあ。

AMtri7.png

 そしてバディさんはこんなことになるわけ(あなたコスチューム破りすぎ!)。2巻ではもうちょい格好よくなるのだけども。そういや日本ではテラフォーマーズが人気ですが、アメコミだと似たような能力でもやっぱりああいう方向性には行かないんだなあと思いつつ。

 もちろん“The Red”“The Green”“The Rot”三つ巴の本筋も非常に面白い。この2巻まではまだスワンプシングとの共闘まで行き着いておらず、とうとうこの先で本番であるロットワールド編が始まる。ロットワールドのTPB(これ多分まとめて出るよね?)はまだ先だと思うのだけれども、4月はスワンピーの2巻が出る予定なのでそちらもとっても楽しみなのです。アラン・ムーアのスワンプシングも現在読みすすめている所なので、そちら共々また別に何やら書くつもり。ここらへんのオカルト系タイトルは本当に好みなのでリランチ前も含めてもっと読んでいきたいなあ。
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| 海外マンガ・原書 | 16:51 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こちらでは初めまして。
アメコミはここ数年でチラホラ読み出した程度なので
こちらの感想をいつも楽しみにさせていただいております。

>ソックスさん
買出しに行くベイカー父子に「やっすいドライフードはイヤぞよ」と
注文つけるシーンが最萌えです。お前居候のクセに図々しいから。
あと「朝から晩までスワンプシングスワンプシングうっさいのよ!」と
首根っこつかまれるところもカワイイ。

>トラベル・フォアマン
某巨大掲示板での受け売りですが、
フォアマン氏の身内に不幸があって「しばらくグロい絵を描きたくない」と
編集部に申し出た、というのが降板の理由だそうです。
スティーヴ・ピュー氏らのアートもカッコイイのですが、フォアマン氏のももっと見たかったですね。

それでは。

| 久仁彦 | 2013/03/16 18:02 | URL | ≫ EDIT

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
実は私もここ3年くらいなので全然若輩者でなのですが…。
アメコミ関連(特に原書)のレビューは需要あるのか懐疑的に思いながら書いてるので、そう言ってもらえるとありがたいです。

>ソックスさん
「次は私が狩る番だ」なんつって軽くあしらわれるソックスさんもやばいです。
いやもう本当に超可愛い。

>トラベル・フォアマン
その記事は2巻読んだ時に見たんですが、やっぱり残念ですね。
今のアートもグロパートは文句ないんですが、少々絵が濃すぎてベイカー一家があんまり可愛くないのが不満なのです。

| 骨付きタロー | 2013/03/16 21:19 | URL |















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