雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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活力に満ちた混沌『ディスコミュニケーション 冥界編』

人生変えられた漫画。

4063767183新装版 ディスコミュニケーション(1)冥界編1 (KCデラックス)
植芝 理一
講談社 2012-10-23

by G-Tools
★★★★


 
 謎の彼女Xのアニメ化もあってか刊行された新装版も今月で完結。私は姉の本棚に入っていたこのディスコミを小学生の時に読んだがために人生変わったんじゃないかとはマジで思っていて。当時リアルタイムで読んでいた少々サブカルな趣味を持つ方々にはこの作品に救われた方もいるだろうし、私のように思春期に触れてその嗜好に大いに影響された人もいるんじゃないかな。そんな当時の植芝さんにしか描けないパワーを持った漫画だった。

 新装版ではそれぞれ冥界編、学園編、内宇宙編、精霊編と四つの章に分けられている。この冥界編の前半の方は以前は導入編と呼ばれていたり、学園編は途中で雰囲気がガラッと変わるので前後半にまた区分されたりしていたんだけどね。学園編以降はまたおいおい書いていきます。

 ディスコミの全体的なテーマは“なぜ人は人を好きになるのか”。恋愛ものは何かしらの障害を越えることが二人の愛を描くこととして分かりやすい。それは身分の差であったり、年齢差であったり、いがみ合う両家の少年少女であったりね。それを越えて二人がつながることで、読み手としてはカタルシスが得られるわけだ。でもこのディスコミにおいて、松笛の正体は示唆される部分があるにしろ最初から最後まで得体がしれない。松笛の得体の知れなさはそのままディスコミュニケーション(相互不理解)の乗り越えがたさを示しているし、ディスコミの面白さはそれを乗り越える乗り越えないの狭間をたゆたっている所にあるのだと思う。でも戸川はどんなにそれが乗り越え難いものであっても、謎を解こうとする姿勢はブレないんだよね。

 導入編はシリーズの主人公たる戸川とその彼氏松笛の紹介を兼ねた二人の不思議な日常を描くエピソード群。トワイライトゾーン風味の不思議な物語で、松笛のアブノーマルさや歓喜天などの密教や神話を絡めた捉えどころのない物語は独特の雰囲気があって実に良い。まだ画力的には低いものの、この頃の植芝さんの絵には今はない叙情性があるよねぇ。また後に繋がるようなキャラクターやフェチシズムも多くて、この頃に既に色んな原型が出来上がっていたのがよく分かる。

 冥界編はディスコミの中でも異質の章。まあどの章をとっても異質なんですが笑。謎の2人組に冥界に落とされた松笛を助けるために戸川も冥界に飛び立つという物語で、かなり真摯に“なぜ人は人を好きになるのか”を追求した章であったとは思うし、ここで一定の決着はついちゃう。ユングの言う深層意識である「冥界」へと落ちてゆき、平行世界の自分や内なる自分に出会う。そして自分の内側を探求する作業は苦しいものであるがゆえに、諦めをもたらすものは何なのか…。
 ディスコミにしては珍しいド派手な戦闘描写も含めヘヴィな戦いが続く物語ですが、やはりオチは曖昧といえば曖昧なものであって。でも答えの出ない問でも絶対に諦めない戸川の戦いを、精神分析やら哲学やらをごった煮にして描いたこのパワーには圧倒的なものがあるんだよね。どんどん湧き出てくる活力と内に進めば進むほどその度合いを増す混沌。ラストの訳の分からない感動には他では味わえないものがあると思う。

 では、学園編以降はまた別エントリーで。
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