雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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私は何のために書評を書いているのか『ニッポンの書評』

ブログに限らずレビューサイトなどで書評的な文を書いている人はかなり興味深く読めると思う。全面的に賛成できるかは分からないにしても。

ニッポンの書評(豊崎 由美)

★★★



普段書評を書く時、私は色んなことを迷いながら書いている。
基本的にはまだその書籍を読んでない方の参考になればと考えているからもちろんストーリーを全部明かすことは出来ない。でも全部は明かさないにしてもある程度のネタバレは粗筋を説明する上で必要なので、その境界線を常に迷いながら書いている。
ただそれだけだと既読の方には全く意味がない文章になってしまうから、難しい。

もちろんこれは問題の一部に過ぎない。どういう表現を使ったらいいのか、おもしろく読んでもらうためにはどんな風に書くべきか、なんて本当に悩みは尽きない。
ではそういう人がこの「ニッポンの書評」を読んだ時に答えが出るかというと、そんなことはない。著者にしろ、序文で書評術なんて持っていないし、いつも迷いながら書いていると宣言している。結局何がどうあれおもしろければいいのだなんて言っちゃってもいる。どうやったらおもしろい小説が書けるのかという問題の正解はないように、おもしろい書評を書くための正解というものだってないのだろう。
でも最低限気を配るべきことや考えるべきことがあって、著者と共に私も大分自分の頭の中を整理し、考えを進めることが出来たように思う。その結果、私は自分の文を書評とすることに恥ずかしさを覚えるようになってしまうという思いもよらない副作用があったにしても読んで良かった。多分恥を知ることは大事なことだ。

おもしろかったのが、書評と批評の違い。
書評はその本に興味を抱かせるものであり、批評はその本を分解して分析することと定義されている。自然と書評は未読の方、批評は既読の方が対象になるわけで、混ぜこぜにするべきものではなかったのだ。
だから書評は書評として書いて、批評的な部分を書きたくなったら別にエントリーを作るべきなのだろう。

ただ、アマゾンや個人ブログの書評への考えには多少納得できないこともあるわけで。豊崎さんが時には良質な書評に出会うこともあると認めつつも、敬意のないたくさんの書評に憤るのはすごく分かるし、私自身そういう書評を見て不快に思うこともある。アマの点数に関しては確かに営業妨害になっているかもしれない。多分豊崎さんの思いはこの言葉に尽きる。

「ブログで書評を書いている皆さん、あなたたちは守られているんです。安全地帯にいるんですよ。そして、安全地帯にみをおきながらでは批評の弾が飛び交う戦争に参加することはできないのですよ。」

批判するには精読と正しい理解の上でのみすべきだし、批判するなら自分も身を危険にさらすべきだと。だからブロガーの方は好きな本に関してだけ書評を書けばいいじゃないと提言している。
前文の前半は全面的に賛成。ただ、それ以降の意見に関してはちょっと難しい。

この豊崎さんの意見というのはやはり私達のブログに対する認識と差があるんじゃないかと思うのだ。
まず書評家の方達は仕事で書評を書いている。お金をもらっているからこそ責任と厳しい制約が伴うのではないだろうか。
そしてアマチュアであろうブログの書評家は安全地帯にいるというのは申し訳ないが全くその通り。でもそれが理由で好きな本についてだけ書評を書けというのはもはやブログの意味がなくなってしまう。
多分ブログの書評とはまたプロの書評とは意味合いが異なってくるからだ。忌憚のない意見を聞きたくて私達はブログを見る。そしてそれは仕事でないからこそ、責任がないからこそ書けることだ。
もちろん何でもありというわけではなくて、作者に対する敬意と作品に対する理解は必須だと思う。それがあまりに足りない人が多いからこそ豊崎さんは苦言を呈しているわけだけど。

プロの書評はかなりの所信頼できるが(この本を見ているとそれでも100%とは言えない)、もちろん好きではないなんて書けないし制約は多い。でもその制約ゆえに美しい書評が出来る側面もある。
ブログなどアマの書評は自由度が高いのが魅力だが、それゆえに難点も多い。そもそも自己表現の場でもあり、仕事でもない以上読者に読んでもらうことを純粋な目的とする書評にはならない気がする。でもその著者の色が楽しい部分だってある。

結局求められているのは読者の目。特にネットでは玉石混交の書評の中から自分に合うものを見つけ出す審美眼を鍛えていくことが大事になってくる。
プロの書評にしろ、ブログ上の書評にしろそれぞれの長所短所を分かった上でうまく付き合っていけたらより実りの多い楽しみ方が出来るのではないだろうか。

掴みが大事とか、自分語りは禁止とか、他人の書籍を自分の考えを伝えるのに利用するなとか、私がこれから書評もどきを書く上で非常に参考になったことが多くてありがたい書物だった。
とにかく作者への敬意を忘れないように、ただの感想文にはならないように、できるだけおもしろい書評、批評を書いていきたいものだ。この書評は感想文かもしれないけどね。
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