雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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スチームパンクをぶち抜く甘酸っぱさ『ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器』

いやあ、どきどきした!

4153350079ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)
スコット ウエスターフェルド Scott Westerfeld 小林 美幸
早川書房 2012-12-07

by G-Tools
★★★★


 
 ウエスターフェルドのスチームパンク三部作完結館。

 二巻目までの疾走感ってのはやっぱりとんでもないものがあったよなあ。この文字通り夢中で読書するという感覚は、例えば小学生の頃に指輪物語やハリー・ポッターを読んでいた時みたいな感覚で、やっぱりある程度年齢を重ねてくると中々得られない感覚のように思う。それだけにこのゴリアテの刊行は私も心待ちにしていた。

 で、結果めちゃくちゃ楽しかったのだ。ただし前巻と比べると大分失速したのは確かで。
 このシリーズの面白さというのは全編通しての冒険活劇の楽しさはもちろん、アレックパートは主に皇帝の座を継ぎうる王子の流浪譚でありリヴァイアサンに惹かれる一少年としての葛藤が描かれ、デリンパートでは性別を隠してリヴィアサンに乗船する彼女の痛快な活躍と何よりアレックへの恋心にどぎまぎすることになった。

 このゴリアテにおいて焦点が当てられたのは、どちらかというとデリンの秘めた恋心の方で。いわゆる少女漫画的な面白さ。尋常じゃない甘酸っぱさに叫んでしまいそうになるくらいで、まあデリンが可愛いすぎてどうしようもないわな。
 ただやっぱり(抑えたとはいえ)あまりに予定調和的な結末と感じてしまったのは否定できなくて…。というのも、2巻までの期待感というのはこんなもんじゃなかった。性別を偽ってリヴァイアサンの船員として働くデリンにはジェンダーSF的な、生命工学と機械工学がどちらもキリスト教的な価値観によって争うダーウィニストとクランカーには歴史再編SF的な、そんな知的興奮を与えてくれるんじゃないかなんて期待していたわけで。

 だからそれらが全部デリンとアレックのロマンスを盛り上げるための舞台装置でしかなかったとなると、それはそれで割り切れない思いがあって。ヤングアダルトじゃんと言われればそれまでかもしれないけれど、YAでもそこらへんも濁さないで描ききった作品だって少なくないし、このシリーズはそんな傑作に連なるものになるんじゃないかと期待していたのだ。
 後やっぱり森薫はすごいよな。「エマ」にしろ「乙嫁語り」にしろ当時の身分違いの恋が背負う業をこの人はしっかりと描くんだから。それらと比べると、ゴリアテが色々放り投げすぎなのは間違いなくて。でもYAだからしょうがないのかどうなのかなどと少なからずのもにょもにょ感。

 ただそんなこんなの文句なんて全部吹っ飛ぶほど甘酸っぱかったのですよ。今年読んだ少女漫画やら何やら含めて一番どぎまぎさせられたのは確かなわけで。だからもにょもにょ感を振り払うためにも断言しとこう。デリンが可愛ければよし! などと放り投げてオワル。

追記
しかし河童には笑ったw どこらへんが河童なんだあれ…。
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