雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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少しだけ変わってしまった世界と変わらない人間と『なりひらばし電器商店』

やっぱりこの人はSF畑の人だよなあ。

4063524388なりひらばし電器商店(1) (イブニングKC)
岩岡 ヒサエ
講談社 2012-11-22

by G-Tools
★★★★


 
 40年後の日本を舞台にした岩岡ヒサエの新作。3R法が施行される徹底的にが無駄が排除された世の中で、東京の大学に通うために上京した初音。大学でのスタートは見事にコケるものの、ちょっと変人な彼女にはまた上をゆく変人な友達ができ、電器商店を経営するばあちゃんやその従業員とともに新しい生活を始めてゆく。

 未来とはいってもあくまで40年後の近未来ゆえかあんまり現実離れしたガジェットは出てこない。3Dの映像機器なんかはあったりするけれども、これだって確かに数十年すれば普及してもおかしくないような家電だよなあ。
 それよりも今と変わってしまったのは制度の方で…。3R法に代表される“作り過ぎず、再利用し、再資源化する”社会は少々窮屈だ。カメラが至る所に設置されて不法投棄を監視しているし、ゴミの処理費用は企業だけでなく一般人も自己負担しなければならない。作りたてのコロッケを提供するためとはいえ時間のたったものを大量に廃棄すれば私服警官に捕まり、紙できたチラシを配っても逮捕されかねない。

 そんな変わってしまったとはいえ現代と地続きの未来で描かれるなりひらばし。そもそも未来の下町というのがアンバランスで楽しいのだけれども。エコが徹底した未来でもその中で懸命に生きる人々から感じられるのは、やっぱり無駄なくしては生きてはいけないってこと。温かくもさりげなく私たちの価値観に疑問を突きつけてくる岩岡ヒサエやっぱりSFの素晴らしい描き手だよなあ。面白い!

 もちろん岩岡ヒサエの真骨頂ともいえる生き生きしたキャラクターは本当に魅力的。3Dを超えるほど迫力抜群でとことん食えないばあちゃんや、ちょっと変な初音を取り巻くさらに変人な友人、そして癖ありまくりな電器商店の店員たち。時に過剰なほどのデフォルメで描かれる彼らの表情は豊かすぎる笑。
 きっと土星マンションのように主人公を通してたくさんの人がつながっていくことになるんだろう。ただ土星マンションと決定的に異なるのは、初音がどうやら意識的に人とつながっていこうと考えているようということで。リングの掃除という仕事を通して様々な人々と出会っていったミツとはまた違った、初音の物語を楽しみに追っていきたいと思います。
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