雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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英雄の失墜と再生『ダークナイト ライジング』

観に行ってきました。
ネタバレは抑えたつもりですが、前作までを含めて全く内容に言及してないわけではないので注意。

ダークナイト・ライジング2
★★★★


 
 「ダークナイト」におけるハービィ・デントの死から8年。デントが起こした殺人事件はバットマンのためとされ、英雄・デントの死をきっかけに成立したデント法によってゴッサムシティは平和を獲得していた。そんなゴッサムにベインという新たな敵が現れ、ゴードンは瀕死にまで追い込まれる。引退し、引きこもっていたブルースはベインに脅威を覚え、再びバットマンとして復帰することになるが…。

 クリストファー・ノーラン手がけるバットマン三部作の完結編。しかし中々に感想が書きづらいなぁ。

 とりあえずこの映画の脚本のレベルは決して高くない。細かい所で言うと、初っ端である人物の死をごまかすのに、その血液を死体に輸血するなんてシーンがあるのだけれど、まあそれで何故ごまかされるのかが分からない。デント法の内容だって明かされないし、この映画の細かい所に突っ込んでたら本当にキリがないわけで。
 そしてそんなに細かい所が気になってしまうのは、ノーランがバットマン映画のリアリティのラインをめちゃくちゃに引き上げたためだ。ヒーロー映画に似つかわしくないシリアスでリアルな路線を追求したために、バートンバッツだと笑って流せた所がノーランバッツだと一々気になってしまう。

 そしてそれは大きな物語の構成としても同じことで、リアル路線を追求した一方で、少なくない漫画的な展開がどうしても浮くことになる。そもそも悪を浄化するために全てを滅ぼすということ発想自体がひたすら漫画的なのだ。これはビギンズの頃から同様ではあるのだけれども。
 そう考えると、ダークナイトにおけるジョーカーの存在というのはヒースの神がかりな演技を抜きにしてもやはり大きかった。何を考えてるか、何をやらかすかが全くつかめないキャラクターなわけで、多少の齟齬なんてダークナイトにおいてはジョーカーが全てぶち壊してくれた。

 で、本題…。

 この映画は、「ダークナイト」で闇に堕ちたバットマンに光が当てられる物語だ。さらにはどん底まで落ちたバットマンの輝かしい復活の物語であり、「ヒーローはどこにでもいる、それは上着を少年にかけ、励ますような男だ」というバットマンの台詞が示すようにマスクを被らずとも誰もがヒーローになれるという物語でもある。

 そういう意味ではこの映画でノーランが主に参照したのは同じくフランク・ミラー作ではあるものの、「デアデビル:ボーンアゲイン」だったように思われる。ボーンアゲインが名作たるゆえんは、デアデビルだけではなく、普通の人間である記者やドラッグ中毒の女性までもが共に全てを奪われたどん底から這い上がる物語であったからだ。
 しかしボーンアゲインにおいては、今作におけるバットマンと違って輝かしくデアデビルがヒーローになるなんてことはないわけで…。その理由は「ダークナイト ライジング」を見れば嫌でも分かってしまう。“誰もがヒーローになれる”というのとバットマンが輝かしくヒーローになることは決定的に矛盾するからだ。

 さらに言うなら、“誰もがヒーローになれる”をテーマとするのに対して、この映画の市民があまりにも一貫して衆愚であり続けるのも気になる所。これはダークナイトの結末(真実を市民に教えたら絶望のあまりゴッサムが終わるので、嘘でヒーローを守り続ける)も同様で、私としてはこれがまあ気に入ってなかった。だからライジングでダークナイトの結末が裏返ったことは歓迎したいのだけれど、そのテーマに対して相も変わらず普通の人に重きがおかれないのはちょっとね…。結局バットマンが全部持っていくわけで。
 
 要は色々ととっ散らかってるのだこの映画。いくら2時間半の映画だとしても、詰め込みすぎてて整合性が足りないし、一本の映画としての流れがあんまり綺麗じゃない。
 この映画のストーリーは概ねコミックの良い所どりなのだけれども。モリソンのバットマンサーガ、ミラーのダークナイト・リターンズ、ノーマンズランドやナイトフォール、バットマンvsベイン…ぱっとこれくらいの作品が思い浮かぶわけで、まあ当然といえば当然かもしれない。

 で、大分くさしてしまいましたが、おもしろかったです。詰め込みすぎ・とっ散らかってるというのが、逆に粗に気付いても作品に付いて行くのに必死でわりと気にならなかったというか、気になったんだけどそれがどんどん上書きされていくので要素要素は十二分に楽しめたというか。またここらへんはノーランの語り口の巧みさで、泣かせるのが上手いんだよなぁ。あと何と言ってもアン・ハサウェイのキャットウーマンは美しかった。今までノーランのバットマンを見てきた方なら劇場に足を運ぶ価値はあるかと。

 しかし読み直すと、実にとっ散らかった文章なので申し訳ないです。どう考えてもノーランに文句なんてつけてる場合じゃない。 
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