雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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美の結晶『うたかたの日々』

岡崎京子が描く少し不思議な世界で繰り広げられるラブストーリー。多分私が読んだ漫画の中でもトップクラスの美しさ。

うたかたの日々(岡崎京子作画、ポリス・ヴィアン原作)

★★★★



このSF的世界観が独特すぎるあまり、最初読んだ時は消化不良感が残りまくりであまり楽しめなかった。ラブストーリーにこんな風変わりな装飾がされているんだから何かしらの寓意があるんだろう、何なんだ?とそっちの方に思考が行ってしまったわけ。

でもそうではなかった。
作者は恐らくただただ美しい物語を書きたかっただけなのだ。

うたかたの日々は2組のカップルの恋の物語だ。
ネタバレは避けるが、ストーリーだけ書き出してもすごく安っぽい話にしかならない。それこそあの「世界の中心で愛を叫ぶ」みたいな。
でもこれは美しくしようという気概が違う。
悲恋とか悲劇っていうのはそれだけでも美しい。でもどうせなら現実世界よりお洒落でファンタジックな街の方が、どうせなら白血病より肺に睡蓮が根付く奇病の方が、どうせならetc…。
この涙ぐましいまでの努力笑。
いや、でも冗談じゃなくてすごいのよ。普遍的なラブストーリーをこうまで美しく創り直せるのかと。しかも嘘っぽく安っぽくならないように考え抜かれているのがすごく分かる。

岡崎京子の絵もすばらしい。この作品では原作つきだからか絵のタッチは抑えられ、軽やかで優雅な世界に仕上がっている。一つ一つの絵を見ても普通なのにまとめて見るとこうまで美しいのは何故だろう。

うたかたの日々はポリス・ヴィアンと岡崎京子の美の結晶だ。
酔える人にはたまらない作品だと思うし、珍しく気軽に楽しめる岡崎京子作品でもある。リバーズ・エッジやヘルタースケルターの方が注目されがちだが、紛れもなくこれも岡崎京子の傑作の一つ。

うたかたの日々。泡沫の日々。水面に浮かぶ泡のようにはかなく消えやすい日々。
そんなものの中に私達は美を見出してしまう。そんなありふれた素材をポリス・ヴィアンと岡崎京子は最高の料理に仕上げてくれた。本当に贅を尽くした料理に。
どんな味なのか、ぜひぜひご賞味ください。
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