雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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ファンタジーとしては微妙だけど…『チムア・ポート』

羅川真里茂はハズレがないな。心温まる良ファンタジー。

チムア・ポート(羅川真里茂)

★★★



何でか画像だけのアマゾンリンクがNot Availableになってしまう。なぜだ?

まあそれは置いといて、このチムア・ポートです。
羅川真里茂は小学生の時に姉の赤僕を読んで以来ずっと好きな作家さんだけど、驚くほどにハズレがない。一定のレベルをクリアしてくるのはドラマを描く名手だからだろうか。本当に安定感あるわぁ。

「チムア」それは人間と異なる者たち。魔術のような少し不思議な力を使える彼らは心ない人間から嫌われ、迫害されていた。ザーザ村に住むポートもそんなチムアの一人。多くの村の人間から酷い仕打ちを受けるも人間をどうしても嫌いにはなれない。だって人間達の中にも…。

羅川真里茂の3話からなる優しく、そして切ないファンタジー。
・戦士 ジャバ・ウー…ポートの人間の親友との交流のお話。ポートの底抜けの慈愛とジャバ・ウーの優しさを描く。
・夢語り ジョー…脱走し、ポートに匿われることになった敵国の捕虜、ジョーのお話。
・魔法使い ピノ…ジャバ・ウーが派兵先で出会った人間に絶望しているチムア・ピノのお話。

ファンタジーとしてみるとかなり微妙。少し前の少女漫画に(彼氏彼女の事情や子どものおもちゃとか)によく主人公が夢の中でファンタジー世界に迷い込む、というのがあったと思う。それらのレベルと大差がない。
チムア以外の世界観があまりに練られていないから、この世界に浸るなんて楽しみ方はちょっと出来ない。

しかしチムア・ポートを楽しく読めるのは、やはり羅川真里茂の物語を作るうまさゆえ。やはりこの人は何をやっても結局は人間ドラマで魅せてくれる。一見、猫mix幻奇譚とらじなんかすごく似ているように思えるのだけど、こちらは純然たるおとぎ話としてのおもしろさだから本質的には全く違う。
人間の汚さとか醜悪さとかそういう部分を前面に押し出す中で、チムアの慈愛やジャバ・ウーの優しさはどうしても際立つ。ジョーの屈折したまっすぐさを応援したくなる。ピノには人間として申し訳なくなる。

でもその一方で物語に入り込めない所もあって、それはおとぎ話と人間ドラマの中間にある中途半端さゆえかもしれない。おとぎ話は作り物として楽しむものだし、人間ドラマはその中に入り込んで楽しむものだ。読んでいる私がどっちつかずな感じだから、どうも乗り切れていない気がする。

そんな私でもこれを見ると差別や偏見に思いが至ってしまう。しかしどうしても色んなものを色眼鏡で見てしまう自分もいて、それでも出来るだけ優しくあろう、そう思わせてくれるものがこのチムア・ポートには確かにあるのだ。

一巻完結の気軽に読める良ファンタジー。羅川真里茂が好きなら楽しめると思います。
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