雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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生々しい嫌悪感『スマグラー』

前から興味はあったのだけど、新装版を機に手にとって見た。

4063107795新装版 スマグラー (アフタヌーンKC)
真鍋 昌平
講談社 2011-09-23

by G-Tools
★★★


 
 役者を目指していた主人公が、甘い話に騙され多額の借金を負うことに。彼が高利貸しに紹介されたバイトは死体を運ぶ「運送屋」だった…。

 真鍋昌平といえば「ウシジマくん」の漫画家さん。スマグラーはデビュー作らしいのだけど、映画化を機に新装版が刊行されたということで。
 もちろんデビュー作なので、現在と比べると絵も話も少し粗い部分も正直あって。でも真鍋作品の陰鬱さとそういう粗さの相性は決して悪くはなかった。そしてウシジマくんと根底に流れるものはやはり同じように思える。

 ウシジマくんを読んだ人なら分かると思うのだけれど、この人の作品は本当に陰鬱。拷問シーンのようなエグい場面や人間のどうしようもなさをこれ程までかとぶち込んでくるので、読んでいるとどうしても落ち込まざるをえない。
 エログロナンセンスとかそういう良い意味での悪趣味ではないんだよなぁ。ただただ糞ったれな人生を生きている糞ったれな奴らの姿を見せられて。それが面白いのかというと、正直分からない。でもスマグラーを読んでいて目が離せないのは、確実にその糞ったれな奴らと自分につながる部分があるからだ。下手をすれば自分だってこんな糞ったれな人生に転落しうるというリアリティがあるからだ。だからこそ他の漫画にはない生々しい嫌悪感を感じてしまう。

 香港マフィアや日本のヤクザはいかにも…って感じなんだけどね。極め付きに中国の殺し屋二人組みまで登場しちゃう。ここらへんザ・漫画なのだけど、それでも独特の雰囲気を醸し出していて決してリアリティは失われない。ウシジマくんにも共通する変なバランス感覚は相変らずだなと思ったりして、なかなかおもしろかった。

 真鍋昌平が描く人間は本当にどうしようもないのだけど、どうしようもないだけでは終わっていない。どうしようもないなりにどう生きるのか…この人の人間へのまなざしは決して虚無的ではないし、結末にも作者のそういう部分は表れていたように思う。
 ただそんな物悲しいハッピーエンドもあまりに生々し過ぎる嫌な空気を払拭できたかというとそうではなくて。これを刺激と捉えられる人にはたまらない作品なのかもしれないけれど、あまりに生々し過ぎて個人的には難しかった。ただ同時に作者は刺激とは感じて欲しくないんだろうな、とも思った。悪趣味なだけという作品では絶対ないので興味がある人は一読をおすすめ。
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