雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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圧倒的に本物『羣青』

3月に待望の完結巻が出るのだけれども、それを読む前の感覚をちょっと書いておきたいなと。

4091885098羣青 上 (IKKI COMIX)
中村 珍
小学館 2010-02-25

by G-Tools
★★★★★


 
 本当にすさまじい漫画。読んでいると、いつの間にか息が止まっていることに気付いたり。体の変な所に力が入っていたり。知らないうちに滂沱していたり。読んだ後に30分くらい放心状態で天井眺めていたり。その後眠ろうとしても全然寝付けなかったり。そんな漫画はなかなかない。

 もう内容はと言えば、どろどろでぼろぼろな悲劇。惚れた女の旦那を殺したレズ女と旦那の暴力に耐えかねてレズ女に旦那を殺すよう頼んだめがね女、二人の宛のない逃避行が始まる。
 女二人の逃避行といえばやっぱりテルマ&ルイーズだったり、もしくは人を殺すことに追随する負を描くという意味であれば罪と罰だったり、内容面での新鮮味はそんなにないのだけれども。しかし羣青がすさまじいのは、圧倒的に本物ということだ。

 羣青はすんごく重い。本当にどろどろでぼろぼろで狂おしくて。でも重い話というだけなら、別に珍しくはない。そもそも読み物で何億人死のうと、現実における一人の死とは比べ物にならないわけで。話が重ければ重いほど、舞台が現実であればあるほど、私達はその乖離を痛感させられてきたと思う。
 ただ羣青が他と圧倒的に違ったのは、いつもそこにあったはずの現実と読み物を隔てる厚いフィルターが限界までぶち破られていたことで。羣青において人が死んだら、傷つけられたら、本当にそうであるように感じられた。どこまでもどうしようもない後悔とか、糞みたいな愛とか、底の見えない憎悪とか。二人の感情の濁流というのが直にドカンと来た。

 そう、本当に濁流。漉されていない大量の感情。だからこそ自分と全く縁もないこんな二人にありえないほど感情移入してしまう。移入するというかもう引きずり込まれてしまう。没入にも程があるくらい没入して、気付いたら滂沱しちゃっている。すごすぎる。
 何でこんな作品を描けるのかって考えた時に、そりゃあ中村珍の技量や漫画に対する真摯な姿勢はもちろんあるのだけれども、それでもこれはありえない気がする。それを可能になさしめたのは帯に書かれているように“魂”としか言えないのかなと。完全に一線を踏み越えてしまっていると思う。

 もう何か言葉にすればするほど嘘になっていく感じがして、でも多分それが本物ということだ。絵は癖があるし、ページ数や値段も含めてなかなか買いにくい作品なのだけれど、頭をぶん殴られたような衝撃を味わいたい人は必読。まじで大傑作です。
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