雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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幻想と現実『ビフォア・サンセット』

ビフォア・サンライズの9年越しの続編。見て1ヶ月ほど経つけど、折に触れて思い出してる。

B003EVW5V4ビフォア・サンセット [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21

by G-Tools
★★★★★


 
 サンライズは偶然知り合った男女の一夜限りの恋という夢をこれ以上ないほど幻想的に、素敵に描いていた。だからこそ続編は余計じゃないのかなと思ったりしたのだ。その後サンセットを見てそんなことを思っていた自分をぶん殴りたくなった。

 前作より9年後、ジェシーは小説家として成功していた。パリで新作のサイン会を開いた彼はその本屋でセリーヌと再会するのだった。前作の結末で約束した再会は本当に果たされたのだろうか?日が暮れるまで、再び二人の時間が動き出す。

 サンライズは幻想であり夢であった。ウィーンは一晩だけ魔法にかかり、最後には現実に戻る。だから続きなんて要らない。思い出だけは幻想のままでいいじゃないか、そう思っていた。
 しかしサンセットは前回より9年も経っている。二人とも、もはや無責任な身分ではなくて社会の中で働く大人。ジェシーはやつれ、セリーヌもほっそりとしているが、同じように歳月を感じさせる。二人が大人になって、もはや二人の関係は夢ではありえないのだ。前作の“夢”が素晴らしかっただけに、サンセットにおいて夢が少しずつ現実に侵されていくというのは見応えがある。
 
 この映画が素晴らしかったのは、夢が現実に侵されていく過程における二人の齟齬やぶつかり合いで、そのまま二人の人生を垣間見せてくれたということ。映画は情報量においては小説に敵わない。一人の人生を描こうと思った時に、何でもかんでも詰め込んでしまうことはできない。
 しかしサンライズで見せられたのは、もっと漠然としたものだ。会話の端々に彼らの人間性や送ってきた人生が示唆され、それらのピースが少しずつ集まってタペストリーを織り成す。抜けている部分は私達自身の想像で埋めてあげるのだ。

 特にウィーンでの一夜に対する二人の会話なんて悶絶ものですよ。男はロマンチストで女はリアリスト。でもやっぱりあの一夜だけはね…。
 ラストでのセリーヌが音楽に乗ってお尻ふりふり近づいてくる場面のなんと可愛らしくて切ないことか。そしてあの後二人がどうするのかをあえて見せなかったラスト。この映画の良さがあそこにぎゅっと詰まっていたように思う。ただただ素敵だったサンライズ、そしてサンセットではその先に人生のの渋さと切なさを描ききった。

 本当に心に残るんだよなぁ、この映画。決して長くはないし、派手じゃないのだけれど、私の血肉になった貴重な映画に思ってる。
 そして近頃さらに9年越しの続編の製作が決まったそうで。再び私の不安を打ち破ってくれることを楽しみにしています。今度は劇場で絶対見たい。
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| 洋画 | 22:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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