雨の中の涙のように・・・

雨の中の涙のように、私の記憶もみな時と共に消えてしまうのか? そうなる前に日本内外問わず私の愛する漫画や映画、小説について書き残しておくブログ。

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巨人との遭遇『ガニメデの優しい巨人』

星を継ぐものに続く、「巨人たちの星」三部作の第二部。

4488663028ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)
ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿
東京創元社 1981-07-31

by G-Tools
★★★★


 
 何たって「星を継ぐもの」のインパクトは相当に大きい。大きいだけに不安な気持ちもあった。最初が素晴らしかった作品の続きは往々にして期待を裏切られるじゃないですか。でも大丈夫。こちらも見劣りしないおもしろさ。

 前作でルナリアンの謎を解き明かしたハントとダンチェッカー、今回彼らが直面するのは異星人、ガニメアンとのファーストコンタクト。そしてガニメアンとの出会いは彼らを新たな謎に導くのであった。ガニメアンが隠していることとは?人類の起源とは?

 とりあえずガニメアンとの出会いでちょっとずっこける。何たるご都合主義…。何百万年もの時を越えてちょうどこの時代に到着するとは、もう笑うしかない。でもここからが本番なのだ。
 この異星人との初遭遇という展開には色んなところで見てきているわけだけど、やはり心が動いちゃう。それがホーガンならばなおさらね。

 異星人が出てきたことで、彼らを引き合いにだして“人間”を描く方向に行かないのがホーガンらしさ。“闘争心”という両種の違いも人間の進化の浪漫をかき立てるものの、やっぱり謎解きメインに使われるのだ。
 ホーガンの小説は恋愛にしろ何にしろ、人間を掘り下げないし、人間同士が絡み合うおもしろさもない。私がふだんおもしろく読む作品にはこの二つのどちらかが大体備わっているのだけど、それ以外で楽しませてくれるこのシリーズは何気に貴重かもしれない。

 謎解きという面では前作ほどの壮大さはさすがにない。というのも今回ガニメアンという人類の先を行き謎を知る存在がいるのだから、サスペンス性は高まったものの道なき道を切り開いていく冒険心は損なわれていたように思う。ある程度答えも予想できる範疇ではあった。
 でもそれ以上に作中に漂う叙情性や浪漫に「星を継ぐもの」にはなかった渋みがある。ハントとダンチェッカーが一枚一枚謎をとりめく皮を取り除き、導き出した答え。人類が知性を持てた理由、進化の急速さ、ガニメアンの優しさと薄い希望、そんなものが混然と一体化したラストには思わず余韻に浸ってしまったのだった。

 ホーガンは人間を、未来を強く信じていたのだろうか。前作での人類の戦争がなくなったくだりや今作での人類の先は明るいと断言するガニメアンの姿を見ると、ちょっと身につまされるものがある。食糧問題は解決していないし、人間はその闘争心をうまく使えているとも思えない。統一国家なんて夢物語だ。
 ハインラインが無邪気に未来にわくわくしていたようなのと比べると、ホーガンはどこか未来と人類を信じなければならないという悲壮感が裏には見える気がする。だから私もホーガンの描く未来を信じたい一方で、皮肉に感じてしまうのかもしれない。それでもやっぱり人間を信じたいんだよなぁ。

 「ガニメデの優しい巨人」は三部作の最終巻「巨人たちの星」に向けてまだまだ謎は残されて終わりを迎える。どういう結末を迎えるのかわくわくせずにはいられない。ここまで来たら我慢できないよ。早く読もう。
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| 小説 | 07:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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